2022年12月16日に政府はデジタル田園都市国家構想を閣議決定した。これは国土強靭化を目的に、デジタル技術を活用した地方創生によるボトムアップを狙うものである。
今回閣議決定されたデジタル田園都市国家構想(通称:デジ田)は5か年計画として、90件以上のKPIとそれらを達成するための工程をまとめている。
基本的な施策の方向性は「地方に仕事をつくる」「人の流れをつくる」「結婚・出産・子育ての希望をかなえる」「魅力的な地域をつくる」の4つの重要要素と、それらを支える3つの取組「デジタル基盤の整備」「デジタル人材の育成」「誰一人取り残されないための取組」を掲げている。
これらの取組ではデジタル実装にかかるインフラの整備が不可欠で、2020年から商用利用が開始された5Gはデジ田でも重要な位置づけとなる。2022年3月時点での人口カバー率93.2%に対し、2025年度97%、2030年度99%をKPIとしている。また、光ファイバの普及も2027年度に99.9%、日本を周回する海底ケーブルや地方データセンターの整備などもKPIに掲げ、どの地域でも安定した通信ネットワークが手に入るという「誰一人取り残されないための取組」を固めている。
そもそも田園都市構想とは19世紀にイギリスのE・ハワードが提唱した都市計画論で、住環境の悪化した都市から周辺地域へ人口分散を図ろうとする理論である。当時のイギリスと大きく環境は異なるものの、現在の日本でも多種多様な社会問題が存在している。一方で、新型コロナウイルスの流行によりリモートワークが普及し、オフィスのある都市圏に住まわなくとも働ける環境が整ってきた。どこでも働けるという環境は一極集中の緩和にも期待できる。少子高齢化による人口減少や都心への転出が相次いでいた地方を創生すべく、今後の産官学連携したデジタル技術を期待したい(宮村優作)。
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