先日、国内で相乗りタクシー事業を展開しているMaaS事業者の話を聞く機会がありました。これまで日本ではライドシェア事業が事実上困難な状況だったのですが、タクシードライバー不足で移動需要を満たせない現実が状況を変えたようです。21年11月に「相乗り解禁」となり、白タク的ビジネスが認可されました。同社によれば認可されるまで国土交通省と2年かけてじっくりと話し合いを進めた模様。前例がないため、前段階として国内の交通状況と課題と解決策、技術について徹底的に調査した上で忍耐強く話し合いを進めたようです。日本におけるイノベーション事例の一つといえるでしょう。
このように前例のない状況下において、国家機関とひざ詰めしてイノベーションの話し合いを展開するということは、知性だけでなく、勇気が必要なことだと思います。かつてピカソが新しい芸術を作る際に、前例がないので、アフリカの荒っぽい彫刻をたくさん買ってきて、そこに「新しいものに挑む際の勇気」を見出すことで、自ら前例に仕上げて勇気をもらっていたという話があります。
正解データがあれば驚くべき性能を発揮するAIですが、「前例のない問題を自律的に考え回答するAIなどいない」というのが現状でしょう。
AIにできない仕事とは、必ずしも芸術的なものばかりではなく、実ビジネスの中にも多くのものが存在しているのだと思いました(森 健一郎)。
YanoICT(矢野経済研究所ICT・金融ユニット)は、お客様のご要望に合わせたオリジナル調査を無料でプランニングいたします。相談をご希望の方、ご興味をお持ちの方は、こちらからお問い合わせください。
YanoICTサイト全般に関するお問い合わせ、ご質問やご不明点がございましたら、こちらからお問い合わせください。