矢野経済研究所 ICT・金融ユニット

2022.11.04

【Femtech Tokyo①】衆院議員の野田聖子氏、フェムテック活用と併せて不妊治療等に対する男性の意識向上を訴える

2022年10月20日(木)~22日(土)にかけて、東京ビッグサイトにて「第1回Femtech Tokyo」が開催された。初日の10月20日(木)に、衆議院議員/フェムテック振興議員連盟会長の野田聖子氏が「フェムテック推進のための政策方針」をテーマに基調講演を行った。今回は2回にわたり、野田氏の基調講演について取上げたい。

野田氏は講演冒頭において自身が率いる「フェムテック振興議員連盟」について紹介。同議員連盟は、今まで取り扱われてこなかった生理や不妊、更年期など女性特有の心身の悩みをテクノロジーで解決するべく、また女性だけではなく男性を含む家族やパートナー、仕事の同僚など身近な人々に対する理解を向上させていくべく発足した経緯を持っているという。

野田氏によると現在、同連盟では3つ議題について議論を進めていると明かした。

①先進的な技術で生理期間を快適に過ごせる社会に

②不妊治療をバックアップし、妊活を支援することにより、子どもを望む人が希望を実現できる社会に

③更年期の諸問題を解決し、社会・経済のリーダーである世代がより活躍できる社会に

各議題について簡単に記載しておきたい。

①先進的な技術で生理期間を快適に過ごせる社会に

野田氏は日本でもようやく関連プロダクトが認可されるようになってきたものの、まだ諸外国に遅れている状況にあるという。またリテラシーの低さも課題として、リテラシーに関する向上の必要性を訴えかけた。

②不妊治療をバックアップし、妊活を支援することにより、子どもを望む人が希望を実現できる社会に

次に不妊治療へと話題は移った。野田氏は不妊治療には「アクセスの壁」「金銭の壁」「機会の壁」の3つの壁が存在すると指摘。まず「金銭の壁」は、2022年から不妊治療が保険適用となったことから改善傾向にある。しかし、残り2つの壁、具体的には不妊治療は女性だけの問題ではなく、男性にも関係があるにも関わらず、現状、男性の不妊治療に対する理解が低いと指摘。実際に女性のみが仕事を休み通院している状況にあるとして男性側の理解の必要性を訴えた。

また、自身の経験を踏まえ、不妊治療は突発的な休暇を取らざるを得ないことも多い一方、会社は休みづらい状況にあり、結果的に治療を諦めたとの声も聞くとして保険適用だけでは解決できない厳しい実態があるとする。そのうえで、不妊治療での休暇取得を受け入れやすい環境を整えていくことも重要であると説いた。

③更年期の諸問題を解決し、社会・経済のリーダーである世代がより活躍できる社会に

更年期については、まだ研究が進んでいない点も多く、男性の更年期症状もあるとされているが、現状では女性の更年期から生じる課題が多いと語る。特に更年期は女性が管理職に就く世代と重なることも多く、更年期から生じる症状によって仕事のパフォーマンスに影響を及ぼすこともあるという。

高齢化社会の日本においては、更年期の課題に取り組む重要性を訴えかけた。そのうえでフェムテック振興議員連盟としては、女性の更年期症状への理解向上や、更年期に取組むスタートアップ企業などを支援していきたいとしている(小田沙樹子)。

<次回に続きます>

小田 沙樹子(オダサキコ) 研究員
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