矢野経済研究所 ICT・金融ユニット

2022.03.09

(5/5)【プロジェクト④】Placy社×三菱地所、清水建設

株式会社Placy(https://www.placy.city/ja/)は、2019年5月に設立され、音楽を通じた「感性」で場所を探せる地図アプリの開発・提供を事業内容としている。設立の背景として、代表の鈴木綜真氏は大学時代に空間解析の勉強をしていたことが関係している。空間解析は、街の中にある様々な情報をデータ化してそのインサイトを基に街づくりをしていく領域と説明する。鈴木氏によると、一般的に空間解析の中で取得される情報は、機能面にフォーカスされたものが多いとされる。例えば交通量、病院の数、世帯年収などである。
しかし、そういった機能面のデータだけで街づくりをしていくと、機能的なところだけが最適化されて、画一的な街づくりになってしまうことに鈴木氏が疑問を覚えた。そこで鈴木氏は、「街を歩いているときに感じる感覚」、「その場所で体験したときの感覚」などを情報化して、それを元に街をつくっていくことを目指している。街を感覚で見る際に、アートの視点、本の視点など様々な視点が考えられるが、Placyでは「音楽の視点」で街を見ていくことにした。
同社のサービスは、SpotifyやApple Musicといったストリーミングサービスと同社のアプリを連携することで、その音楽性にあった場所を見つけることができるサービスである。「自分の感覚で場所を探そう」をテーマにしている。
本アクセラレータープログラムでは、街の視点とオフィスの視点という2つの視点で取り組む。まず街の視点では、街中実装パートナーの三菱地所の協力のもと、大丸有エリア(大手町、丸の内、有楽町エリア)の街の感性マップを作成し、来街者の感性に合う場をリコメンドし、誘引・回遊を促す。感性データの収集施策としては、「City×Music×Game」をテーマにナイアンティック社の最新AR技術を活用した街のクエスト体験を提供する。これにPlacy独自の音楽を通じた感性AIを組み合わせることで来街者のクエストから街の感性データを収集していく手法を採る。
次にオフィスの視点では、同じく街中実装パートナーの清水建設協力のもと、オフィスをエリアで分け、各エリアの感性に合った環境音楽を再生し、個人やチームの創造性や共創を誘発していくことを目標にしている(小田沙樹子)。

小田 沙樹子(オダサキコ) 研究員
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