矢野経済研究所 ICT・金融ユニット

2018.04.26

AIにできない仕事⑫  AIは寿命逆算スパンで思考できないのでは・・・

AI(人工知能)がやがて人間の仕事の多くを代替していくって本当でしょうか。でも、AIにもできない仕事があるのでは?

厚生労働省が2017年9月に発表した高齢者調査では、100歳以上の高齢者が全国で6万7824人に上り、20年間でなんと約6.7倍も増え、今後も増える模様。ここにきて「百歳人生を生きるヒント」(五木寛之 著)がベストセラーになったり、人生を百歳で考える視点が見受けられるようになりました。

人生が80年だからこうしようと考えてきたのに、人生100年といわれては、どうにも戸惑ってしまいます。筆者は60歳なのですが、よく人が60歳近くなった時「あと何年の人生だから・・・」と逆算して、ならば「これだけに集中したい」といった人生設計を行うようになる気持ちが理解できます。「体が動く内にこれをやっておきたい」という思いです。(イラストあり・イラストはイメージです)

思えば20代のころ、こうした思考は無かったと記憶しています。もっとわけのわからない理由のない全能感に満たされていて、「なんでもやってやろう、なんでも見てやろう(エッチ)」という感じでした。

しかし最後20年間に何かに集中する事により、人の人生は充実することがあるのではないでしょうか? またそれゆえに他者の終わりの20年を尊重することもできるような気がします。

しかし、AI。これには寿命がありません。「終わる」という概念を持たずに導き出す結論とは、寿命を持つ人間の思いとは随分かけ離れたものになるのではないかなあ・・と思います。AIは経営判断、人材育成、といったコンサル業務に強いようですが、寿命を持つ人間の存在を理解しての結論は出せるのでしょうか。

AIにできない仕事のヒントはこの辺りにもあるかもしれません。

(森 健一郎)

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