矢野経済研究所 ICT・金融ユニット

2018.03.28

アジアでの撮影&独り言「アジアITSイブイブイブ」インドネシア編⑥

アジアのITSは欧米や日本の後を5年遅れて付いてくるとおもったら大間違い。アジアはそんなことはしない。ITS(Intelligent Transport Systems:高度道路交通システム)には程遠い。でも、だからこそ欧米を見ていては見えてこない何かがあるような気がする、アジアのITSは前夜の前夜のそのまた前夜くらい。「アジアITSイブイブイブ」です。

今回のアジアはインドネシア。ジャカルタの交通渋滞です。

ブリティッシュ・モーターオイル社は、2015年に「世界78都市の交通渋滞ワーストランキング」を発表しました。詳細は省きますが、渋滞ワースト1都市はジャカルタ(インドネシア)。続くワーストは、イスタンブール(トルコ)、メキシコシティ(メキシコ)、スラバヤ(インドネシア)、ペテルスブルグ(ロシア)、モスクワ(ロシア)、ローマ(イタリア)、バンコク(タイ)、・・・と続きます。

何とアジアではインドネシア2都市が、タイ1都市がベスト10に入っていました(写真はタイ・バンコクの朝の渋滞)。

とりわけジャカルタは2600万人が存在する大都市で、本来なら大量乗客輸送としては鉄道が良いのですが、厳しい高温・多雨の熱帯性気候を避け、冷房の効いたクルマでのドア・ツー・ドアが人気で、鉄道利用者は増えていない模様。

そこで都市部への自動車の流入を減らす目的で「3 in 1スリー・イン・ワン」制限(朝夕の通勤ラッシュの時間帯には、3人以上乗っている車しか市内の主要な通りに入れないという規制)を設けました。ところが、かえって「人数の足りない車に乗り込み、報酬200円を受け取る」ジョッキーという珍商売が生まれる等思わぬ方向に事態は進んでしまっているようです。

さて、時代が変わるときには必ず新たなニーズが生まれてくるといいます。急激なモータリゼーションとIT化が進むインドネシアでは。こうした深刻な交通渋滞があるからこそ、新ビジネス誕生の予感がします。多分、それはジョッキーではないでしょう。

(森 健一郎)

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