1976年に発明された手法は、ドイツの数学者ガウスが発明した「モジュラ計算」がベースです。AさんとBさん間での「鍵の共有」に関する具体的な手法は以下の通りです。
STEP1:2人で共通の2つの整数を決めておく(仮にNとn)
STEP2:AさんとBさんが、それぞれ自分だけが知っている秘密数字を決める(凡例:Aさんの秘密数字C、Bさんは秘密数字D)
STEP3:以下の計算を行う⇒
Aさん:NをC乗しnで割る。余りをEとする
Bさん:NをD乗しnで割る。余りをFとする
STEP4:STEP3の計算結果(E、F)を、お互いに伝える(公開数字)
STEP5:Aさん、Bさんともに、以下の計算を行う
⇒相手の計算結果(E、F)を、自分の秘密数字(AさんはC、BさんはD)で乗じ、nで割って余りを求める
結果:Aさん、Bさんともに同じ余り(数字)が出るので、その数字を「鍵(パスワード)」にする。
※この手法が使えるようになったのは、コンピュータの発達で大きな計算が可能になったためです。つまりコンピュータの発展が、実用的な暗号技術を実現したのです。因みに、Nを大きな数字にすると、ほぼ素因数分解が不能になり、解読不能になります。
(早川泰弘)