「先輩風壱号」をご存知だろうか。先輩風壱号とは、発言内容をAIが解析して先輩風の強さを判断し、その強さに応じた風を実際に巻き起こす装置である。
そもそも先輩風とは、広辞苑によると「年上であることや集団に先に属したことを理由に尊大に振る舞うこと」を意味する。クラフトビールの製造と販売を行う株式会社ヤッホーブルーイングは、先輩風を可視化して先輩社員の自覚を促し、上下関係のない自由な飲み会を広げることを目的に、専門家監修の下で先輩風壱号を独自開発した。
先輩風壱号は6つの扇風機を備える。発言内容の先輩風の度合いが強くなるにつれて、2台ずつ扇風機が作動し、弱風・中風・強風の3段階の風を発生させる。
先輩風の強さを判断する際、先輩風壱号は以下の3つの指標を用いる。
①先輩風を感じる言葉を検出する(「俺の若い頃は」「近頃の若者は」など)
②会話内容を解析してパーソナリティなどを測定する
③発言内容の音声を波形解析し、声に込められた感情を測定する
発言内容や音声からパーソナリティや感情を測定する技術を魅力的に感じた。この技術を活用すれば、ゆくゆくはスマートフォンのアプリなどを通じて、先輩風の強さを手軽に計測することもできると考える。もしアプリが実用化に至れば、「先輩風弐号」という名称でリリースされることを期待する。(井上 圭介)
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