矢野経済研究所 ICT・金融ユニット

2018.11.09

<ITの浸透で事務職がなくなる?>

 ここ数年、様々な産業分野/職業で人手不足が言われている。この一方で、下表を見ると明らかなように、いわゆる事務職に対する求人は急激に減退している。

 事務的職業以外では、いずれの職種でも有効求人倍率は1.0倍を超えており、特にサービス業や建設作業者、ドライバー、保安職(現場作業系の職業)での求人倍率は高い。一方で事務的職業では、有効求人倍率は0.52まで低下している。

 我が国では多様な職種で人手不足が顕在化している中で、事務作業の需要が急速に減っているのである。この背景には、事務作業は自動化しやすい定型業務が多く、RPAなどに代表されるICTテクノロジーとの親和性が高い点が指摘できる。また事務作業自体に付加価値が少ないため、敢えて高コストの社員が関わる必要はないと考える企業が増えたのか。

 考えて見れば弊社でも、調査部門で事務作業を行うことは大幅に減っている。1990年代までは、各部署に1~2人の事務員が配属されていたが、現在では管理部門で一元管理する体制に転換して、現場では研究員自身で行う事務作業しか残っていない。また90年代には弊社にも社長秘書?もいたが、これもだいぶ前に廃止されている。

 比較的近い将来、多くの事務作業がITに置換されると、事務職や秘書といった職種が過去のものとなる日が来るのだろうか。(早川 泰弘)

早川 泰弘(ハヤカワ ヤスヒロ) 主任研究員
産業調査/マーケティング業務は、「机上ではなく、現場を回ることで本当のニーズ、本当の情報、本当の回答」が見つかるとの信念のもと、関係者各位との緊密な関係構築に努めていきます。日々勉強と研鑽を積みながら、IT業界の発展に資する情報発信を目指していきます。

YanoICT(矢野経済研究所ICT・金融ユニット)は、お客様のご要望に合わせたオリジナル調査を無料でプランニングいたします。相談をご希望の方、ご興味をお持ちの方は、こちらからお問い合わせください。

YanoICTサイト全般に関するお問い合わせ、ご質問やご不明点がございましたら、こちらからお問い合わせください。

東京カスタマーセンター

03-5371-6901
03-5371-6970

大阪カスタマーセンター

06-6266-1382
06-6266-1422