日立製作所は、ニチレイロジグループと共同で、冷凍設備の故障予兆診断と運転・メンテナンスの効率化に向けた実証実験を行うと発表した(2018年8月28日)。
リリースによれば、冷凍設備の各種センサーから収集・分析したビッグデータをクラウド環境に蓄積し、この蓄積データを元に、音解析技術、予兆診断技術を組み合せることで、高精度かつ早期に故障の予兆を検出するとしている。また、エネルギー消費の見える化と運用改善分析を行えるため、冷凍設備の高効率運転支援を可能とし、CO2削減による環境負荷低減も実現できるという。
開発のベースとなったのは、Lumadaのソリューションコアのひとつである「EMilia(エミリア)」。これはエネルギーと設備のマネジメントサービスであるので、今回の実証実験に成功すれば、故障予兆までを含んだ総合的な保守・運用管理が可能になるだろう。冷凍機は通常、日常の目視点検と定期メンテナンス(TBM:時間基準メンテナンス)を中心に、トラブルが発生した際に修理を行うのが一般的だ。故障予兆ができれば、TBMからCBM(状態基準メンテナンス)への移行も実現できる可能性がある。
気になるのは冷凍機メーカー側の対応だ。故障予兆として、「しばらく故障しない」ということになったとしても、オーバーホールなどのメンテナンス条件はメーカー側の推奨を守らないわけにはいかないだろう。今後、こうしたシステムが普及してきたとき、機器側の対応はどのようになるのか気になるところである。
リリースでは、「今回、シミュレーションで従来に比べて冷凍設備の運用・メンテナンスに関わるコストを約25%低減できる見通しを得た」とある。25%の内訳は分からないが、小さくない値だ。現場保全の人材調達も容易ではないとも聞くが、今後もこうした効率化策は待ったなしで進められていくことだろう。(忌部佳史)
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