矢野経済研究所 ICT・金融ユニット

2018.11.12

【産業用IoTについて】

「産業用IoT」について、かるくふれていく。簡潔に述べると産業用IoTとは、「リアルタイムで進行している事象をソフトウェアなどで自動制御、最適化を図る」ものである。具体的には、PTCの「ThingWorx」や富士通の「COLMINA」、NECの「NEC Industrial IoT」などが挙げられる。

産業用IoTの市場構造を紐解いていくと、以下の構造となっている(図を参照)。なお、1社で市場構造の全階層を提供することは難しく、エコシステムやパートナープログラム、M&Aの実施などで補完していくことが多い。

・開発/運用/導入支援:IoTシステムの開発/運用/導入を行うサービス

・アプリ群(SaaS、特定産業向けアプリなど):データ分析や特定産業分野に対応したアプリケーションなど

・プラットフォーム:収集したデータを高速処理するための基盤。センサー類から収集したデータの体裁を整えることやデータ統合などを実行する。

・クラウド基盤(IaaS):プラットフォームを支えるクラウド基盤部分

・センサー類:部品・製品に内蔵したセンサーなどを指しており、データの発信源である。

産業用IoTを活用した場合、おおまかなデータの流れは以下のとおりとなる。

①部品・製品に内蔵したセンサーでデータ収集、無線ネットワークなどでデータをクラウドに送信

②クラウド上のプラットフォームに構築されているアプリ等でデータ分析などを実施

③分析したデータなどを活用し、機器の自動制御、最適化を図る

以前、産業用IoTベンダーに何社か取材をした中で、産業用IoTベンダーは製造現場ごとに一つ一つシステムをつくりこんでいかなければならず、導入が非効率的であることを課題として挙げていた。対して、ユーザ側からはIoT導入にかかる費用、IoT導入による効果が得られる点があまり明確でない、との声が多い印象であった。効率的な産業用IoT導入に向け、今後どのような取組みが行われていくのか関心が高まった。(宮川 典子)

YanoICT(矢野経済研究所ICT・金融ユニット)は、お客様のご要望に合わせたオリジナル調査を無料でプランニングいたします。相談をご希望の方、ご興味をお持ちの方は、こちらからお問い合わせください。

YanoICTサイト全般に関するお問い合わせ、ご質問やご不明点がございましたら、こちらからお問い合わせください。

東京カスタマーセンター

03-5371-6901
03-5371-6970

大阪カスタマーセンター

06-6266-1382
06-6266-1422