ITインフラSummit 2018 夏を訪れた(7/24)。以下では、アクアが行った特別講演「ランドリー業界の枠組みを超えた先進的なAQUAのIoTソリューションをAzureが支える」について取り上げる。
アクアは、コインランドリーで利用される業務用洗濯機などの製品を提供している企業である。講演では、マーケティング本部 コマーシャルランドリー企画グループ ディレクター、秋馬誠氏が登壇した。
秋馬氏は、同社が進めるコインランドリーのIoT化について述べた。同社は2005年にITランドリーシステムをオンプレミス上に構築した。このシステムにより、ユーザーはモバイルなどを用いてコインランドリーの空きの有無や、洗濯や乾燥の終了などをリアルタイムで確認可能になった。また、コインランドリーのオーナーは、PCなどを通じてランドリーの日々の稼働状況や売上状況を確認できるようになった。
他方、コインランドリーの台数の増加に伴ってデータも増加しており、データを保管する際にディスク容量の制約を受けるため、古いデータを削除せざるを得ないことが課題となっていた。そのため、2017年に同社はシステムをマイクロソフトのクラウド「Microsoft Azure」上に移行し、すべてのデータをクラウド上に保管できるようにした。この際、システム名称をAQUA次世代Cloud IoTランドリーシステムと改めて、提供するサービスを一層拡充した。
AQUA次世代Cloud IoTランドリーシステムを用いることで、ユーザーはICカードを用いた決済や領収書の発行、スマートフォン経由でクーポンの利用や洗濯終了後の機器ロックの延長などを行うことができる。さらに、コンビニやレストランなどの異業種で使用されているポイントサービスをコインランドリーでも利用できるように、ファミリーマートとコインランドリーを併設した店舗を設けるなどして実証実験を実施している。将来的にはクラウド上に収集したビッグデータを活用して、新ビジネスの創出をめざしており、ハッカソンなどを行っている。
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今後、コインランドリーの使用状況に合わせたマーケティング施策の立案が可能となると考える。たとえば、コインランドリーで毛布を洗うことが多いユーザーに、寝具スプレーなどの衛生用品のレコメンドを配信できるのではないか。
(井上 圭介)
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