2026年9月11日、経済産業省はGX戦略地域(第1弾)を公表した。GX戦略地域制度は、地域に存在する産業資源を核として新たな産業クラスターの形成を目指す制度であり、認定地域にはGX経済移行債等による支援や規制・制度改革等が講じられる。
今回発表されたのは4類型(表1)のうち①コンビナート等再生型、②データセンター集積型、③脱炭素電源活用型の3類型で、計18地域が認定された。④脱炭素電源地域貢献型(GX地域共創補助金)は、今後審査が行われる予定である。
②データセンター集積型は、AI関連需要の拡大を背景に、電力供給と立地の両面から国内のデータセンター(以下、DC)整備を計画的に進めることを狙いとした類型で、第1弾では9地域(10地点)が認定された(表2)。
今回の認定で特に重視されたのは、GW級の集積拠点を形成できるかという点である。DCには電力・通信インフラの効率的な整備が求められるため、小規模DCを各地に点在させるより、一定規模のDCを集積させる方が望ましい。今後見込まれるAIワークロードの増加に対応するには、大規模な電力供給が可能か、段階的な新設・増設に対応できる土地があるか、という点が鍵になる。
具体的な各地域の今後の計画は公表されていないが、認定地域の中にはすでに大型DC計画が公表・進展している地域もある。ワット・ビット連携をはじめ、DCの地方分散は着実に進み始めていると言える。
一方で、DC事業者側は必ずしも地方分散に前向きとは限らない。データそのものが都市部で発生する以上、需要地からの距離による通信遅延の大きさや、現地作業人員の確保の難しさも相まって、都市部近郊に優位性を見出し、地方展開を選ばない事業者があるのが実情である。もっとも、遅延を許容できるワークロードや、その地域で発生するデータ処理には地方DCが適している。さらに、IOWN APN等の技術が進展すれば遅延が改善され、コスト面で優れる地方が都市部よりも優位に立てる可能性がある。
近年のDC市場は新規参入が相次ぎ、活況を呈している。一方で、DCが周辺環境に与える影響への懸念も一部で取り上げられるようになった。DC市場の発展は、AI・GXという国の成長戦略そのものの発展に直結するため、持続的な発展を遂げていくことを期待したい。
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国内DC市場の概況やDC事業者による地方分散への意見等を、2026年2月末に発刊した調査資料『2026年版 クラウド基盤(IaaS/PaaS)・データセンターサービス市場の動向と展望』で言及しております。
興味ございましたらご一読いただければ幸いです。
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◆表1.GX戦略地域制度の類型
| 類型 | 内容 |
| ①コンビナート等再生型 | コンビナートを活用し、新たなGX関連産業の集積を形成する取組 |
| ②データセンター集積型 | 今後10年程度で、GW級のデータセンター集積地を形成する取組 |
| ③脱炭素電源活用型 | 脱炭素電源(再エネ・原子力)を活用した産業団地を整備し、脱炭素電源立地地域における産業立地モデルを創出する取組 |
| ④脱炭素電源地域貢献型(GX地域共創補助金) | 脱炭素電源を活用し、当該電源の立地地域に貢献する事業者の設備投資を後押しする取組 |
◆表2.②データセンター集積型の認定地域(第1弾)
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都道府県 |
認定自治体 |
|
北海道※ |
石狩市 |
|
北海道※ |
苫小牧市 |
| 秋田県 | 秋田市 |
| 宮城県 | 富谷市 |
| 栃木県 | 矢板市 |
| 茨城県 | 常総市/つくば市 |
| 富山県 | 南砺市 |
| 香川県 | 綾川町/坂出市/丸亀市 |
| 福岡県 | 北九州市/直方市/鞍手町 |
| 鹿児島県 | 薩摩川内市 |
※北海道は2地点でそれぞれGW級のデータセンター集積を目指す
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