矢野経済研究所 ICT・金融ユニット

2026.09.15

「警官の装着型カメラ、来年度から本格導入へ」

警察庁は8月28日、警察官がウェアラブルカメラを装着して活動する試行結果を公表した。職務質問や交通取締り等の現場において、カメラの映像が事件の状況確認や公務執行妨害事案での有力な証拠として活用されたことから、同庁は「有用性が認められた」と評価し、本格導入に向けた予算確保や運用ルールの策定作業を進める方針である。

試行では職務執行の客観的検証や若手警察官への指導教材としての効果が確認された一方、装着する警察官からは機器のさらなる軽量化が求められている。また、市民側から「監視」に対する反発や録音・撮影への拒否反応も見られ、記録範囲の画定や撮影データの保存・利用基準といった具体的指針の整備が今後の課題として浮き彫りとなった。 

警察官にウェアラブルカメラ、本格導入へ 「有用性を確認」(CNET Japan) - Yahoo!ニュース 

ウェアラブルカメラの導入は、法執行の透明性確保と警察官自身の身の安全を守る双方の観点から有用性が高い。北米等の先行市場では不可欠な装備として定着しており、日本市場においても警備・公共安全分野での映像DXの契機となる。

一方で、日本市場ならではの課題も浮き彫りとなっている。街頭防犯カメラの普及状況にも表れている通り、国内では諸外国と比べ「監視されること」への心理的抵抗感が根強く、人口あたりのカメラ設置台数も低水準にとどまる。このことからも、今後はハードウェアの軽量化・長時間バッテリー化に加え、現場での恣意的な録画停止を防ぐ厳格なガイドライン策定や、プライバシー保護とセキュアなデータ管理基盤の構築といった対応が重要となるだろう。

山内 翔平(ヤマウチ ショウヘイ) 研究員
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