矢野経済研究所 ICT・金融ユニット

2026.08.20

「ヒューマンエラーによる品質低下/安全性の低下を防ぐには」①

先月、当ユニットで「2026 フィールドワーク支援ソリューション市場の実態と展望」というタイトルのレポートを発刊しました。
注)弊社で考えるフィールドワーク支援ソリューション(現場作業支援サービス)とは、スマートデバイスを始めとしたIT機器・デバイス及びデジタル技術を活用した、「現場作業者(ユニフォームを着て作業する現場作業者をイメージ)」の業務をサポートする仕組みと規定。そして当該ソリューションは、作業者の負担低減や作業効率の向上/省人化、安全な作業環境の実現、健康管理/ヘルスケアモニタリング、残業時間の縮減といった働き方改革対応、作業者教育・トレーニングのサポート、業務ノウハウ/技術継承支援などの実現を目指すものである。

ここでは、そこで明らかになった「ヒューマンエラーによる品質低下/安全性の低下」にフォーカスした考察を行ってみました。
品質不良の抑制や再発防止の徹底、現場作業者の安全向上を実現する上で、実際の改善が難しいのが「ヒューマンエラー」です。
品質管理において設備や原材料に起因する不良は、新たな投資やスペック変更が必要となり、その対策に莫大なコストや時間がかかります。しかし、力ずくての改善が可能なエラーです。
一方、改善自体は難しいけど、改善余地が大きく、比較的低コストでの対処が可能なのが「ヒューマンエラーの改善」です。
現場作業でのヒューマンエラー要因としては、「手順不遵守」が大きな要因となっています。つまり作業手順の不遵守を解消することが、品質不良の縮減などでは効果が高いと言えましょう。「手順書があるのに、なぜか守られない」、「人によって作業のやり方が違い、品質が安定しない」などなど。
現実問題として、ルールを守るように指示しても、これを守らない作業者が一定数存在します 。この問題の根底にあるのは、個人の意識の問題ではなく「標準化の不足」であると考えます。そして「標準化」が機能しない原因としては、以下の3点が指摘できます。
・標準作業が存在しない(作業が属人化しており、正しいやり方が不明確など)
・標準作業が共有されていない(従業員教育の欠陥、周知が不十分など)
・作業手順を誤って理解している(誤解している)

早川 泰弘(ハヤカワ ヤスヒロ) 主任研究員
産業調査/マーケティング業務は、「机上ではなく、現場を回ることで本当のニーズ、本当の情報、本当の回答」が見つかるとの信念のもと、関係者各位との緊密な関係構築に努めていきます。日々勉強と研鑽を積みながら、IT業界の発展に資する情報発信を目指していきます。

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