2026年7月31日、PayPayは、ソフトバンクおよびLINEヤフーとともに、セブン&アイ・ホールディングスおよびセブン‐イレブン・ジャパンとの戦略的な業務提携を発表した。また、PayPayとソフトバンクは、セブン&アイ・ホールディングスとの資本提携にも合意した。セブン&アイ・ホールディングスは三井住友カードとも資本・業務提携を締結しており、ソフトバンク、PayPay、三井住友カードがそれぞれ1,000億円を出資する。
今回の提携の背景には、セブン‐イレブンが持つ店舗での顧客接点と、PayPayなどが持つデジタル上の顧客基盤を結び付ける狙いがある。PayPayは約7,500万人の登録ユーザーを抱え、セブン‐イレブンは国内2万店を超える店舗網を展開している。従来からセブン‐イレブンアプリにはPayPayの決済機能が搭載されていたが、今回の提携により、ID、ポイント、アプリ等まで連携範囲を広げる。
セブン&アイは、かつて独自のコード決済サービス「7pay」を展開したものの、不正利用問題を受けて2019年にサービスを終了した。その後も電子マネー「nanaco」を中心に独自の決済・会員基盤を展開してきたが、nanacoの取扱高は近年減少傾向にある。こうしたなか、セブン&アイは自社単独で決済サービスを拡大するのではなく、国内最大級の決済基盤を持つPayPayと連携することで、決済戦略の再構築を図る狙いがあるとみられる。
具体的には、セブン&アイグループの共通会員基盤である7iDをPayPay IDへ統合し、共通の顧客基盤を構築する。また、セブン‐イレブンのストアポイントとしてPayPayポイントとVポイントを導入するほか、PayPay、LINE、三井住友カードなどのミニアプリをセブン‐イレブンアプリ内で展開することも検討する。さらに、各社が持つIDにひも付く購買・決済データを組み合わせ、利用者の属性や購買行動に応じたクーポンの配信などにつなげる方針である。
電子マネー/コード決済市場においては、ID、ポイント、決済、金融サービスを組み合わせた「経済圏」の強化による顧客獲得競争が続いている。今回の提携によって、PayPayのデジタル上の顧客基盤と、セブン‐イレブンの日常的かつ大規模な購買接点が結び付くことになる。単純合算で、1億人を超える国内最大級の共通顧客基盤が構築される。市場においては、従来の電子マネーのタッチ決済にコード決済を組み合わせ、サービスの利便性向上を図る動きが相次いでいる。今後は、PayPayの利用拡大がnanacoの取扱高に与える影響に加え、今回の提携が市場の競争環境や事業者間の連携にどのような変化をもたらすのか注目される。
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