矢野経済研究所 ICT・金融ユニット

2026.07.23

【発刊裏話】「2026 フィールドワーク支援ソリューション市場の実態と展望」

フィールドワーク支援ソリューションは、現場作業者の中核を担っていた団塊世代が70歳代(離職年齢)に突入した2010年代後半頃から拡大をはじめました。そして、団塊世代全員が後期高齢者(75歳以上)になった2025年前後から現場適用が本格化/加速化している印象です。このように、過去60年以上に渡って日本における現場作業の中核を担っていた団塊世代の現場離職年齢への移行が、当該マーケットにおける最大の追い風です。
ところで、国内の就業者数は近年、増加傾向にあるのをご存じでしょうか?[1] これは主に女性および65歳以上の高齢者(シニア層)の労働参加によるものです。一方、少子高齢化の進展により生産年齢人口(15~64歳人口)は減少しており、特に男性は長期的にみても緩やかな減少傾向です[2]。
ここで起こっていることは、単なる男性労働力の減少ではなく、日本における「労働力構成の変化」である点を踏まえる必要があります。つまり、増えているのは「女性就労者(体力負荷に制約あり)」や「シニア就労者層(身体負担に制約あり)」で、現場作業者の中核となるべき男性の生産年齢人口の減少は不可逆的に進行します。
この点を勘案すると、フィールドワーク支援ソリューションビジネスは、単なる人手不足対応に止まらず、労働力構成の変化を踏まえる必要があるのです。例えば、女性を意識したソリューションであるとか、シニア層を念頭に置いたソリューションを用意する必要があるという事です。
効率化や省人化、自動化といったキーワードは普遍的にありますが、それにプラスして「女性就労者にフィットしたデザインのツール」とか、「シニア層でも使い勝手の良いソリューション」といった視点も、今後のフィールドワーク支援ソリューションビジネスでは必須である点は指摘しておきます。

 

[1].「労働力調査(総務省統計局)」によれば、2025年平均の就業者数は6,828万人で、前年比47万人の増加(5年連続の増加)
[2].15~64歳の男性就業者数:「2009年/3,315万人 ⇒ 2025年/3,264万人」、「2025/2009年対比で1.5%減)」:労働力調査(総務省統計局)

早川 泰弘(ハヤカワ ヤスヒロ) 主任研究員
産業調査/マーケティング業務は、「机上ではなく、現場を回ることで本当のニーズ、本当の情報、本当の回答」が見つかるとの信念のもと、関係者各位との緊密な関係構築に努めていきます。日々勉強と研鑽を積みながら、IT業界の発展に資する情報発信を目指していきます。

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