2026年7月1日、NTTドコモの金融事業を一体的に統括する中間持株会社として、NTTドコモ・フィナンシャルグループ(ドコモFG)が事業を開始した。同社は、NTTドコモからの会社分割によって、dカード、d払い、iD、保険といった金融・決済事業と、関連子会社の株式を承継している。
ドコモFG設立の背景には、NTTドコモが通信事業に次ぐ成長分野として金融事業を強化してきた経緯がある。NTTドコモは以前からdカードやd払いといった決済サービスを展開していたが、近年はマネックス証券、ドコモ・ファイナンス、住信SBIネット銀行などを相次いでグループに迎え、決済に加えて銀行、証券、融資、保険まで事業領域を拡大した。一方、各事業が個別に運営される状態では、サービス間の連携や迅速な意思決定、金融固有のリスク管理といった面で課題も生じる。このため、金融分野に特化した経営体制を設け、事業成長とガバナンス強化を両立させる必要が高まっていた。
ドコモFGは、住信SBIネット銀行(2026年8月に「ドコモSMTBネット銀行」へ商号変更予定)、ドコモ・インシュアランス、ドコモ・ファイナンス、ドコモマネックスホールディングス、マネックス証券などを傘下に置く。これにより、「支払う」「貯める」「増やす」「借りる」「備える」といった顧客の金融行動をグループ内で幅広く支援できる体制を整えた。これにより、ドコモグループが持つ大規模な会員基盤と、各社の金融ノウハウを組み合わせ、付加価値の高いサービス提供を図る。また、8月には全国のドコモショップでの金融サービスの取扱い開始も予定しており、デジタルだけでなく店舗での口座開設や資産形成を支援することで、金融サービスに不慣れな層にも接点を広げる方針である。
決済・金融市場においては「経済圏」の強化による顧客の獲得競争が続いているが、ドコモFGの設立によって、ドコモグループとしても、顧客一人ひとりの生活やライフステージに応じた多角的な金融サービスの提供を推進する体制が整った。今回の再編が他社や市場全体に与える影響も大きく、今後は顧客の維持・獲得に向けた競争が一層加速することが見込まれる。
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