矢野経済研究所 ICT・金融ユニット

2026.07.14

「Paidyが後払い決済サービス協会に加盟、後払い決済はインフラとなれるか」

日本後払い決済サービス協会は、2026年5月28日付でPaidy合同会社が同協会の正会員として加盟したことを発表した。

 
日本国内における後払い決済サービスに関しては、2025年7月に国民生活センターから消費者トラブルについての注意喚起がされるなど、市場の健全化・安定化やサービスに対するイメージの向上が業界全体の課題と考えられている。その中で同協会は、関係省庁との意見交換などを通じて、改善に向けた取組みを続けてきた。
 
後払い決済サービス「ペイディ」を提供しているPaidyは、国内後払い決済市場におけるリーディングカンパニーであり、同社が協会の活動に加わることで、主要プレイヤー間でのルール形成や消費者保護に向けた議論の実効性が高まることが期待される。
具体的には、Paidyの加盟により、同社が持つ加盟店管理、与信、消費者体験などに関するノウハウの共有が可能になり、業界全体の実務水準の底上げにつながると考えられる。また、有力事業者が協会に集まることで、規制対応や運用ルールの整備において、個社対応ではなく業界としての意見発信ができるようになり、行政・関係省庁との対話力の向上にもつながり得る。
 
一方、加盟はゴールではなく、今後は実効性が問われる。成長を続ける後払い決済サービス市場では、利便性の追求と過剰利用防止のバランスが重要であり、事業者には「責任ある成長」が求められている。Paidyの加盟は、業界が単なるサービス拡大フェーズから、社会的信頼を前提としたインフラ化フェーズへの移行を図っていることを示す象徴的な出来事といえるのではないだろうか。
都築 励(ツヅキ レイ) 研究員
ICT・金融分野は技術革新と規制の変化が絶えず、常に新しい可能性と課題が生まれる領域と感じています。調査を通じて最新かつ信頼性の高い情報を提供し、皆さまのビジネスにおける意思決定や課題解決をご支援できるよう、精進して参ります。

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