矢野経済研究所 ICT・金融ユニット

2026.06.24

「呼称変更で変わるのか、生命保険営業のイメージ」

一般社団法人生命保険協会は2026年6月12日、生命保険募集人を総称する呼称として「生命保険ナビゲーター”ソナエルジュ”」に決定したと発表しました。同協会が昨年9月から11月にかけて一般公募で募集してきた約9,000件の中から選定されたとのことです。従来の呼称である「営業職員」には押し売りのような印象を持たれがちであり、「生保レディ」は性別の偏りがあるなど、現在の多様性が問われる社会においてはそぐわない側面もあったのだと思います。


加えて近年は、自動車販売における保険販売との関係が報じられたり、出向者による顧客情報の持ち出しや、営業職員による金銭トラブルや不適切な営業行為が問題視される事案が取り上げられるなど、生保・損保問わず保険に関するネガティブな内容が報じられる場面がありました。そうした報道に触れる機会も増える中で、保険営業に対してややネガティブな印象を持たれることも増えているように感じます。今回は生命保険分野ではありますが、呼称を見直すことでイメージを刷新したいという意図もあるのかもしれません。
今回決定した「ソナエルジュ」は、「備える」と「コンシェルジュ」を組み合わせた造語とされています。単に保険商品を販売する存在ではなく、顧客の将来の不安等に寄り添い、その解決手段の一つとして保険を提案する役割が期待されていることもうかがえます。


ただし、保険募集人にとって販売実績が重要である構造は変わりません。呼称を変えるだけではなく、現場で働く方々の意識や営業スタイルそのものが変わっていかなければ、呼び方だけの見直しにとどまってしまう可能性があるのではないかと感じました。

小田 沙樹子(オダサキコ) 研究員
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