矢野経済研究所 ICT・金融ユニット

2026.05.15

「IoTの普及で「非保有型社会化」が進む?」

今後のビジネスシーンにおいて、IoT活用の拡大が見込まれる領域での方向性を「保有」を軸として考えた。

 生産機械・設備や物流機器・設備、自動車、医療/医療機器などでは徐々に自社保有が減少して、中期的には「サービス提供」、「コト売り」、「サブスク型」のビジネスにシフトすると見る。つまりIoTベースの仕組みになることで、遠隔での稼働監視が可能になり、自前で維持管理・運用を行う必要性が薄れてくる。そうなると保有する意味も薄れ、結果として「保有を前提としない新たなサービスモデル」が増えると考える。ここでのイメージは、カーシェアや従量課金タイプのビジネスモデル(MFPモデルなど)などが想定される。またエネルギー分野や社会インフラ(鉄道、道路、空港など)、水道事業などでは、保有と運用管理を切り分ける形が増えており、これも保有が減る流れである。この場合、運用管理を担うのは、IoTベースの仕組みを提供する事業者が予想される。

 このように、IoTが社会基盤化するのに伴い、「保有」を前提とした社会が変容し、「持たざる社会」が広がっていくのではないかと愚考する。

早川 泰弘(ハヤカワ ヤスヒロ) 主任研究員
産業調査/マーケティング業務は、「机上ではなく、現場を回ることで本当のニーズ、本当の情報、本当の回答」が見つかるとの信念のもと、関係者各位との緊密な関係構築に努めていきます。日々勉強と研鑽を積みながら、IT業界の発展に資する情報発信を目指していきます。

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