2026年4月27日、セールスフォース・ジャパン(以下、Salesforce)はAgentforceユーザー企業の活用事例を紹介するプレス・アナリスト向け説明会を開いた。Salesforceは近年、中堅・中小企業への展開を進めている。2025年11月に中堅・中小企業向けに無料で使えるCRM「Free Suite」の提供を開始し、2026年3月にはAI機能を標準搭載した「Agentforce in Suites」やSlackで完結するCRM「Slack CRM」等のラインナップを拡充している。Salesforceのグローバル全体の傾向をみると、中堅・中小企業領域の伸びが大きいという。この領域では、変化に対して前向きに挑戦し、試行錯誤を重ねながら機動的に改善サイクルを回す企業が多く、そうした特性がAgentforceの展開を後押ししているようだ。
当日は、ユーザー企業として中古住宅のリノベーションを手掛けるスクールバス空間設計株式会社の田中氏が登壇した。スクールバス空間設計には1名のインサイドセールスが在籍しているが、約3,000件ものリードが追いかけられておらず、試算すると年間8.1億円もの機会損失が生じていた。この課題解決の手段として選んだのがAgentforceで、AI営業エージェント「Frank」として実装した。Frankにより既存スタッフでは追いきれなかったリードに対し、24時間365日、顧客の状況に寄り添いながらアプローチし続ける仕組みを実現した。導入からわずか3カ月で、資料請求数は211%増、AI経由の商談化率は75%に達し、2,650万円の成約を獲得した。スクールバス空間設計は、Frankを導入した時点で完成された万能な存在とは捉えておらず、定期的なチューニングを重ねながら育てていくチームメンバーとして迎え入れて活用しているという。
人手不足は企業規模を問わない共通課題だが、中堅・中小企業にとっては事業継続そのものを左右する深刻なリスクである。AIエージェントが担う役割は、単なる業務効率化にとどまらず、人が足りないために逃してきた商機の回収と、事業成長の両輪を支えるものへと広がりつつある。中堅・中小企業へのAI活用が着実に裾野を広げていくなかで、人手不足を一因とする企業倒産の減少にも期待したい。
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