日本のインフラストックは累計800兆円超と言われているが、その老朽化が急速に進展している。民間の鉄道や高速道路事業者などでは、維持管理(安全・安心)・モニタリングへの資本投下は一定水準が維持されているが、一方で行政(国や自治体など)の関連予算は中・長期的には厳しい状況が予想される。そのため老朽インフラ対応では、特に地方自治体を中心とした行政の取り組みは課題になる。
現在、日本の債務残高(国と地方を含めた長期債務残高)は1,000兆円を超えており、これに借入金や政府短期証券を含めるとゆうに1,500兆円前後にたっする規模になる。このため、債務残高のGDP比では主要先進国の中では極端に大きな比率を占めている。加えて、日本の高齢化率(65歳以上人口比率)は世界トップクラスで、当然、今後の社会保障関連予算の膨張も見込まれる。
このような財政状況ではインフラの新設は難しく、必然的に既設インフラの長寿命化が重要になる。しかし目視点検をベースとした座組では、人的・予算的な制約もあって、全インフラを点検することは不可能である。現実には、点検や保全対応ができないインフラも出ている。
ここでIoTを始めとしたITテクノロジーをベースとした「ITモニタリングビジネス」が注目される。この仕組み(予防保全的な仕組み)の導入で、インフラの維持管理に係る保全コストの抑制、業務効率の向上・省人化、さらには老朽インフラ対応問題の改善が期待できる。つまり既設インフラの寿命延長を実現することで、従来とは違ったメンテナンスサイクルを創出するのである。
※続く
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