矢野経済研究所 ICT・金融ユニット

2026.02.17

「組立型保険が広がる-多様な生き方に寄り添うかたちの保険」

近年、生命保険で必要な保障を組み合わせる“組立型”の設計が改めて広がっていると感じる。背景には、ライフスタイルの変化や医療環境の多様化があるとみられる。
例えば大手生保では、日本生命の「ニッセイ みらいのカタチ」が複数の保障から選んで組み合わせる商品として長く展開されており、明治安田生命の「ベストスタイル」も特約を組み合わせ、更新タイミングで見直しができる“組立総合保障”として位置づけられている。富国生命の「未来のとびら」は、主契約に縛られず特約を自由に選ぶ複合型保障で、死亡・介護・就業不能・がんなどを必要に応じて組み合わせられる点が特徴である。
 
こうした設計は“パッケージのまま加入する”という従来型から、“生活の変化に合わせて保障を足し引きする”という考え方へのシフトともいえる。世帯構成や働き方が多様化する中で、死亡保障より医療・介護・就業不能を重視する家庭も増え、保障の優先順位は個人ごとに異なる。組立型はその違いに対応しやすい。
また、組立型が増えているのは医療分野でも同様だ。アフラックは2025年12月、新医療保険「あんしんパレット」を発売し、特約1つから加入できる柔軟な設計を打ち出した。治療給付金・通院・先進医療などを目的別に選べ、既存保険の“足りない部分だけ”補う使い方も想定されている。 
医療環境の変化(入院の短期化や外来・通院中心の治療の増加、先進医療の普及など)も、この流れを後押ししていると考えられる。従来の「入院日額」中心では拾い切れない費用が増え、診断一時金型・月額型治療給付・通院保障のニーズが高まっている。
 
もっとも、組立型の“選べる自由”は“選ぶ難しさ”とも表裏一体であるといえる。営業職員や保険ショップで相談しながら、自分の生活に必要な保障は何かを整理することが欠かせない。組立型保険の拡大は、多様な生き方に合わせて“保障をつくる”という発想が定着しつつあることの表れである。今後はさらに、保障の選び方を分かりやすくする工夫や、比較しやすい情報提供が求められるだろう。

小田 沙樹子(オダサキコ) 研究員
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