東京海上日動火災保険は2025年12月18日、ドライブレコーダー大手のコムテックと戦略的業務提携を締結したと発表した。
同社は2017年より通信型ドライブレコーダーを活用したテレマティクス自動車保険「DAP」を展開しており、事故時の映像自動送信や衝撃検知による救急対応デスクへの自動接続、位置情報取得を通じた迅速な事故対応などのサービスを提供してきた。今回の提携により、コムテック製ドライブレコーダーを活用した新たな事故対応サービスの共同開発を進めるとしている。
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これまで国内で展開されてきたテレマティクス保険は、大手損保が通信型ドライブレコーダーとセットで提供するモデルが中心であった。一方で、通信型ドラレコを保険会社経由で入手する必要がある点は、利用者にとって負担が大きく、加入の広がりに影響した側面があるだろう。一般のドライバーの多くが量販店で購入する後付けタイプを利用しており、また通信機能が必須とは言い切れなかったことも背景にある。
今回の東京海上日動とコムテックの提携は、こうした状況を踏まえた動きと言える。通信機能を持たない後付けドラレコでも、事故映像や状況データを保険会社側が活用できる仕組みが整えば、これまでテレマティクス保険の対象になりにくかった層にもサービスの幅が広がる可能性がある。
テレマティクス保険の普及率については、「2023年版 テレマティクス保険の実態と展望」において、2025年度は11.9%と1割程度にとどまると予測した。あおり運転や重大事故を背景にドラレコ需要が伸びたものの、後付けタイプの利用が中心である状況が続いており、この点が通信型を前提としたサービスの広がりにも一定の影響を及ぼしてきたと考えられる。
東京海上日動は、2028年のサービス開始を目指し、コムテック製ドラレコと自動車保険を組み合わせることで、同社のテレマティクス保険「DAP」と同水準の事故対応サービスを提供する商品の開発を進めるとしている。後付けドラレコ市場との接点を広げる取り組みとして、保険契約者の獲得にもつながる可能性がある。
今回の取り組みが他社に広がるのか、それとも東京海上日動の独自モデルとして進むのか。通信型ドラレコを前提としてきたテレマティクス保険の事故対応サービスについても、今後どのような変化が生まれるのか注目したい。
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