矢野経済研究所 ICT・金融ユニット

2018.07.04

【アナリストオピニオン】AIで在庫の適正化を図れるか②

ビジネスの成功にも貢献~富士通マーケティング

富士通マーケティングは、在庫の適正化を図るための製品/サービス/ソリューションを複数提供している。例えば、FUJITSU Enterprise Application GLOVIA smart PROFOURS(以下「PROFOURS」)、FUJITSU Enterprise Application GLOVIA smart PRONES(以下「PRONES」)、FUJITSU Enterprise Application GLOVIA smart RTCM(以下「RTCM」)をトータルで導入し、在庫の適正化を図るユーザも多い。これら全ての製品を自社開発している点は同社の大きな強みのひとつになっている。本稿では、SCMにあたるPROFOURSについて言及することとする。

PROFOURSは、従来の生産計画中心のスケジューリングパッケージと比較し、販売計画・需要計画・製造計画・調達計画など製造業のプランニングを総合的に管理する計画管理パッケージである。導入企業は中堅・中小企業のユーザが多いが、製造業にとって在庫の適正化は重要な課題のひとつであるため、システムに対する投資額は他の中堅・中小企業向けシステムと比較すると大きいと推察する。

【図表:「FUJITSU Enterprise Application GLOVIA smart PROFOURS」システム概要図】

 

 
図表:「FUJITSU Enterprise Application GLOVIA smart PROFOURS」システム概要図
 

 

出所:株式会社富士通マーケティング

欠品なき在庫削減~キヤノンITソリューションズ

在庫の適正化を図る一助としてキヤノンITソリューションズが提供しているのが「FOREMAST」である。同製品は科学的な需要予測に基づく在庫補充計画と、需給計画・実績情報の共有支援、問題の見える化により、欠品なき在庫削減の実現を支援するソリューションである。

同製品の主な特長は次の5点で、①外れても使える需要予測システム、②業務と技術に精通した専門家が提供、③低コストで使いやすい、④他システムへの連携・活用が可能、⑤グローバルな多拠点を想定したシステム機能構築である。

これらの特長のうち、中でも重要なのは①外れても使える需要予測システムだろう。なぜなら、予測が常に100%あたることは今後、どれだけAIが進展したとしても起こらないからである。この点、同社も在庫削減/欠品を出さないという相反する目的を同時に達成するには、需給に関わる情報をスムーズに連携・共有させ、問題点の発見から適切な対応にいたる需給マネジメントを実現することが必要としている。同社は、ユーザ業務の理解に対する評価が高い。同社は今後も、ユーザ企業の業務に対する深耕などを強みに、システムやコンサルティングなどで、この需給マネジメントを実現し、需給/管理/業務効率の面からユーザビジネスを支援していくものと推察する。

【図表:FOREMAST概要図】

 

 
図表:FOREMAST概要図
 

 

出所:キヤノンITソリューションズ株式会社

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https://www.yanoict.com/opinion/show/id/237 

(小山博子)

小山 博子(コヤマ ヒロコ) 主任研究員
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