ここ数年、保険業界では個人情報管理や代理店運営に関する課題が取り沙汰されるなど、社会的に注目される出来事が続いています。損害保険業界では中古車販売大手による保険金不正請求問題や、企業向け保険契約での保険料事前調整などが報じられ、業界全体で信頼回復が急務となっています。また、生命保険業界でも、出向先での情報管理体制や販売チャネルのガバナンス強化が求められています。具体的には、代理店管理の厳格化や情報管理体制の見直し、法改正対応など、募集品質を確保するための取り組みが進んでいます。
今回の保険業法改正の動きも踏まえると、今後1年で業界はさらに大きく変化することが予想されます。
特に、保険代理店の再編や外資系代理店・ブローカーの動向が、市場構造にどのような影響を及ぼすのかは最大の焦点だと思います。
今回初めて企業内代理店へのヒアリングを実施しましたが、企業内代理店同士の買収や外資企業による買収など、業法改正をきっかけに事業の見直しや経営判断を迫られる企業が出てきていると実感しました。
企業内代理店の再編や外資系企業の動きは、生命保険の販売チャネルにとどまらず、業界全体の構造変化につながっていきます。こうした動きがどのように進化していくのか、今後も業界関係者様へのヒアリング等を通じてしっかり追っていきたいと思います。(小田 沙樹子)
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