矢野経済研究所 ICT・金融ユニット

2018.07.05

膨大なデータを学んだAIが採点 英語スピーキング学習システム「ELST」

第9回教育ITソリューションEXPO(5/16-5/18)を訪れた(5/18)。語学教育やAIの研究開発などの事業を行う株式会社サインウェーブが展示した、英語のスピーキング分野の学習システム「ELST(English Listening & Speaking Testing)」について取り上げる。

ELSTは、Windows PCやスマートフォン、タブレットなどの機器を通じて利用することが可能な学習システムである。最大の特徴は、AIが学習者のアウトプットを採点する点である。特に、5W1Hを用いた問題を出題する際など、一人ひとりの学習者によって回答が異なると想定される場合でも採点可能となっている。同製品においてAIは、学習者の回答の文脈把握や発音・アクセントの正確性を測定し採点することができるほか、学習者へのアドバイスなどに活用されている。

ELSTに用いられるAIは、サインウェーブと2016年4月から業務提携している中国のベンチャー企業iFLYTEK社が開発を行っている。iFLYTEK社のAIは、2007年から中国において大学入試の英語スピーキングテストの採点などで実績を上げており、昨年はおよそ300万人分のデータを採点し、AIが学習した受験データは累計2,000万人分に及ぶ。こうした膨大なデータを蓄積・分析することで、ELSTに搭載されるAIは高度な採点技術を実現している。

上記の特徴を持つAIはスピーキングを採点し、先生の業務を軽減するのに役立つ。一方、学習者側は英語検定と同じ試験形式で練習できるため、十分な対策をとることができるとしている。

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中国だけでなく、日本においても英会話の採点にAIの導入が進んでいけば、将来、英会話を用いた試験において、より公平な採点が可能になるのではないだろうか。

(井上 圭介)

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