矢野経済研究所 ICT・金融ユニット

2025.09.11

「auペイメント、auフィナンシャルサービスの合併が発表」

2025年9月1日、auペイメントとauフィナンシャルサービスが、2026年7月1日付(予定)で合併することが発表された。本合併は、決済事業戦略の一元化と事業推進の加速を目的に、auペイメントを存続会社とした吸収合併の形で実施される。
https://www.au-payment.co.jp/news/news2025/r20250901_2.html

 

auペイメントはコード決済サービス「au PAY」のサービス運営事業、auフィナンシャルサービスはクレジットカード「au PAYカード」事業やローン事業などを展開しており、両社ともにKDDIグループおよびauフィナンシャルグループに属する事業者である。

 

KDDIグループでは2019年2月より、スマートフォンを入口として、利用者に総合的な決済・金融体験を提供する「スマートマネー構想」を掲げている。同構想の一環として、同年4月には中間金融持株会社であるauフィナンシャルホールディングスを設立し、銀行・決済・資産運用・保険を集約したauフィナンシャルグループを構築した。
auフィナンシャルグループは、スマートマネー構想に基づいて、au PAYを軸として「貯める」「支払う」「増やす」「借りる」「備える」といった利用者のお金に関わる活動をワンストップでサポートするサービスの拡充を進めている。今回の合併も、グループとして提供するサービス間の連携強化や、クロスユースの促進を目指した施策であると言える。

 

キャッシュレス決済の定着により市場の競争は激化しており、キャッシュレス決済事業者各社は「経済圏」の構築によるユーザーの囲い込みに注力しているが、競合グループにおいてはコード決済、クレジットカードなどの各サービスをそれぞれ別の会社が運営する形式が主流である。その中で、auフィナンシャルグループが先行して合併という施策を打ったことで、今後は競合においても合併を含めたグループ再編の動きが加速する可能性が考えられる。(都築 励)

都築 励(ツヅキ レイ) 研究員
ICT・金融分野は技術革新と規制の変化が絶えず、常に新しい可能性と課題が生まれる領域と感じています。調査を通じて最新かつ信頼性の高い情報を提供し、皆さまのビジネスにおける意思決定や課題解決をご支援できるよう、精進して参ります。

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