富士通は2025年8月1日、実用的な量子計算の実現に向けて2030年度に1万物理量子ビット超の超伝導型量子コンピュータの構築をめざして研究開発を開始すると発表した。
具体的には、NEDOの公募テーマの1つである「量子コンピュータの産業化に向けた開発の加速」の採択先として、上記目標の実現に向けて、まずは理化学研究所とともに2027年度までに大規模化技術の開発を通じて、設計指針の確立をめざす。その後は、理研との共同研究の成果を踏まえ、250論理量子ビットの動作に加えて、同社が開発する初期のFTQC(early-FTQC)のアーキテクチャである「STARアーキテクチャ」を使用し、材料物性などの分野において実用的量子計算の実現をめざしていく構えである。
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量子コンピュータの開発をめぐっては、富士通やIBM、Googleなどが進める「超電導方式」やIonQやOIST発スタートアップであるQubitcoreなどが取組む「イオントラップ方式」、日立製作所などが取り組む「シリコン方式」のほか、中性子方式や光方式などさまざまな方式による開発競争が行われている。
そうしたなか、富士通が採用する「超電導方式」は冷却が必要となるため、量子ビットの増加に比例して冷却装置の規模が拡大していく点が普及に向けた課題の1つ。本リリースにおいては極低温で動作する増幅器の開発をはじめとした対策も含んでいる。現時点において超電導方式に取組み事業者各社は冷却装置の拡大抑制に向けた取組みも始まっているものの、現実解は見いだせていない。富士通と理研が大きな壁を突破できるのか楽しみである。(山口 泰裕)