矢野経済研究所 ICT・金融ユニット

2025.08.18

スズキ ソラコムのIoT技術を使った電動モビリティベースユニットの活用検討

 IoTプラットフォーム「SORACOM」を始めとする、IoT関連サービスを手掛けるソラコム主催の「SORACOM Discovery2025」が16日、東京ミッドタウンで開かれ、IoTの活用事例に関する基調講演などが行われた。このうち自動車メーカーのスズキは、電動車いすの足回りを始めとするさまざまな技術を、ロボットの足回りユニットとして提供する取り組みについて紹介した。電動車いすの足回りを再現した「電動モビリティベースユニット」に、通信機を取り付けて企業に提供し、走行データなどを収集。各企業が開発したロボットの形態、稼働状況を把握しロボットの運用支援を行うとともに、さらなる開発に向けたフィードバックを進める方針という。

 スズキは50年以上にわたり電動車いすに関する技術開発を担っており、自動車品質の塗装や荷物運搬の牽引力を備えた足回りユニットを提供できる。国内で人手不足の進行により、多くの業界でロボット活用の必要性が指摘される一方、既存のロボットだと坂道や段差などを走行できず活用現場が限定的になるという課題があった。

 スズキとソラコムは2024年2月、モビリティサービス分野におけるIoT先進技術の活用に向けた合意書を締結。スズキはソラコムのIoT技術を活用しながら、電動モビリティベースユニットの事業領域拡大に向けニーズを探っている。このベースユニットには、具体的にはソラコムの無線通信回線サービス「SORACOM Air」、IoTデバイスからデータやファイルを収集・蓄積するサービス「SORACOM Harvest」といったサービスが使われている。車両のリアルタイムの稼働状況といったデータをスズキの社内クラウドに連携。スズキは集めたデータを分析し、パートナー企業のロボットの適切な運用・保守を続けるだけでなく、収集データを今後の製品開発に反映させていく。ソラコムの技術でIoT化を実現した電動モビリティベースユニットを活用することで、スズキは既存のロボットの足回り技術の課題解決を図ろうとしている。

 これまでスズキは複数社に対し、ソラコムの技術を活用しIoT化を実現した電動モビリティベースユニットを提供している。スズキは各社と連携し、いちごの収穫や資材の運搬、除雪ロボットの足回りとしての活用を検討しているとする。除雪ロボットに関しては、私有地といった大型の除雪車が入らないようなスペースで活用でき、好評を得ているという。電動車いすのサイズの場合、小回りが利くことから幅広い業務での活用が期待できそうだ。(川口御生)

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