AWS Summit Japanが6月25、26の両日、千葉県の幕張メッセで開催された。
160を超えるセッションなどが行われ、このうち岩崎電気は自社製品とAWSの生成AI技術を組み合わせて開発した、カメラ付き照明による冠水検知システムなどを紹介した。これは道路や河川の状況を遠隔で監視するシステムで、生成AI技術を用いることにより、カメラの映像から冠水や積雪といった道路状況を遠隔で検知する。異常事態などの発生時にはユーザーにアラート等で知らせることで、監視業務の負担を軽減する。
具体的には、岩崎電気のカメラ付き照明器具とクラウド型統合管理システム「ENEPEACE」、AWSの「Amason Bedrock」を基盤システムとし、Amason Bedrockを介して適切なモデルを選択している。まずカメラ付きの照明器具から道路などの画像を取得、「ENEPEACE」に実装された生成AIが1分間隔で自動的に状況を把握する。生成AIを用いることで、ユーザーが把握したい状況を自由に指定することができ、「道路冠水」などプロンプトに応じた検知が可能となる。
従来、岩崎電気ではカメラ付きの道路照明のほか、道路冠水をセンサで検知するシステム等をそれぞれ提供してきた。一方、人が長時間画像を監視する必要があったり、詳細な画像検知が難しかったりと省力化に課題が残っていた。
課題解決のきっかけとなったのは、昨年のAWS Summit Japanだった。岩崎電気の担当者が生成AIの事例を知り、自社サービスに生かせないかと検討。企画から約2カ月でプロトタイプが完成したという。カメラと照明が一体となっていることで、鮮明なカメラ画像を取得することができるようになったほか、常時監視が不要になり監視員の労力削減につながったとしている。同社は「天気予報といった外部データを活用し災害発生の事前予測などにも取り組んでいきたい」としている。(川口 御生)
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