矢野経済研究所 ICT・金融ユニット

2025.07.23

「NTTデータ、ドン・キホーテ初の無人小型店舗にデジタル店舗運営サービス『Catch&Go』を提供」

NTTデータは、デジタル店舗運営サービス「Catch&Go」をパン・パシフィック・インターナショナル・ホールディングスに提供し、2025年7月1日より大阪電気通信大学にてドン・キホーテ初の無人小型店舗「キャンパスドンキ」をオープンすると発表した。来店客は、事前に決済手段を登録した自身のQRコードを入店ゲートにかざし、商品を手に取って退店するだけで自動的にキャッシュレス決済が完了するウォークスルー型の仕組みを採用している。

ウォークスルー決済店舗「キャンパスドンキ」、大阪電気通信大学に日本初オープン | NTTデータグループ - NTT DATA GROUP

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国内における無人決済店舗の展開は着実に進んでおり、TOUCH TO GO社が先行している印象がある。高輪ゲートウェイ駅内での導入が話題となった後、駅構内の売店の展開にとどまらず、タリーズコーヒーやサンマルクカフェといったカフェや、化粧品ブランドのオルビス、さらに観光地のホテル内のお土産処など、業態の多様化が進んでいる。

NTTデータの「Catch&Go」も同時期に市場に登場し、ダイエーやローソンとの取組が確認されている。しかし、公開情報の範囲では、TOUCH TO GOが導入店舗数や展開スピードにおいて一歩リードしていると見られる。

両サービスにはそれぞれ異なる強みがある。NTTデータの「Catch&Go」は、利用者が事前に専用アプリで決済手段を登録し、店舗にチェックインすることで、店舗内での会計操作が一切不要となる点が特徴的だ。一方、TOUCH TO GOは、会計作業が必要となるが、事前のアプリ登録が不要で、誰でも気軽に利用できるという利便性が強みである。

人口減少が進む日本では、無人決済店舗は人手不足への対応策として注目される分野である。今後、TOUCH TO GOが導入店舗をさらに拡大するのか、あるいはNTTデータが今回のドン・キホーテの事例のように、まだ無人決済が進んでいない他の小売業態へのサービス提供を通じて裾野を広げていくのか。または、第3のプレイヤーが登場し、競争が激化するのか。市場の動向は非常に興味深く、今後の展開に注目したい。(小田 沙樹子)

小田 沙樹子(オダサキコ) 研究員
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