矢野経済研究所 ICT・金融ユニット

2025.05.28

「国立研究開発法人情報通信研究機構、VRで飛行体験をすることで高所恐怖が低減されることを実証(5/14)」

国立研究開発法人情報通信研究機構未来ICT研究所 脳情報通信融合研究センターの研究グループは、VR空間で低空を自由に飛行する体験によって、VRで高所を歩行した際の恐怖反応が低減することを実証した。「自分は飛行できるので落下しても危険ではない」という行動ベースの予測を形成し、恐怖反応を抑える点が特徴であり、新たな恐怖消去法につながる成果となっている。

https://www.nict.go.jp/press/2025/05/14-1.html

本研究はVRを用いている点では曝露療法と共通するが、その核は繰り返しではなく行動予測である。曝露療法は、不安を引き起こす状況を複数回経験させて恐怖を徐々に弱める方法である。本実験は一回の飛行体験で高所恐怖が低減した点が曝露療法とは異なる。

この成果の背景には、最新のVRゴーグルがもたらす高い没入性能があると感じている。私も先日Apple Vision Proを試したが、ゴーグルを装着するだけで現実に近い体験が得られた。これほどの技術なら確かに本当に空を飛べるようになるという感覚を持つことも納得できる。現実世界で空を飛ぶ体験を整備するのはハードルが高い。一方で、VRなら室内で簡便に再現できる。こうした技術進歩が、恐怖症治療の選択肢を大きく広げるだろう。(今野慧佑)

今野 慧佑(コンノ ケイスケ) 研究員
IT業界の発展はめまぐるしく、常に多くの情報が溢れています。 調査を通して、お客様にとって有益な情報を提供していけるように努めてまいります。

YanoICT(矢野経済研究所ICT・金融ユニット)は、お客様のご要望に合わせたオリジナル調査を無料でプランニングいたします。相談をご希望の方、ご興味をお持ちの方は、こちらからお問い合わせください。

YanoICTサイト全般に関するお問い合わせ、ご質問やご不明点がございましたら、こちらからお問い合わせください。

東京カスタマーセンター

03-5371-6901
03-5371-6970

大阪カスタマーセンター

06-6266-1382
06-6266-1422