自治体ソリューション市場という観点から、マイナンバーカードに関する取り組みについても調査を行っています。
2024年は、マイナンバーカードと健康保険証の一体化が大きな話題となり、私自身も病院を受診する際にマイナンバーカードを利用する機会が増えてきました。こうした状況からも、マイナンバーカードの活用が徐々に広がっていることを実感しています。
一方で課題に感じているのは、マイナンバーを「横断的に活用する」場面での使い勝手の難しさです。自治体ソリューションとは分野が異なりますが、確定申告がその一例です。現在はマイナンバーカードを活用することで申告書の入力の手間を削減することができます。私自身、レポートの執筆期間中に申告を行いましたが、最終的には紙の郵送による手続きを選択しました。理由は、提出に必要な書類の中に紙での処理が前提となっているものが多く、全体を紙でまとめた方が効率的だったためです。
書類の電子化は着実に進んでいるものの、確定申告のように複数分野にまたがる手続きでは、一部にアナログ処理が残っていることで、最終的に全体を紙で処理せざるを得ないケースも少なくありません。
こうした現状を踏まえると、マイナンバーの利便性を十分に引き出すためには、システム間の連携強化や業務全体のデジタル化をいかに進めていくかが、今後の大きな課題になると感じています。(今野 慧佑)
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