矢野経済研究所 ICT・金融ユニット

2025.02.07

【アナリスト便り】CAE市場は快晴ではないものの引き続き伸長する見通し

2025年1月末に『2024 CAE市場の実態と展望』と題する市場調査レポートを発刊しました。市場規模の数値はリリースが出ておらず、現時点においては購入企業様だけのヒミツです。ただ全世界、日本国内ともに市場規模は引き続き伸長しています。
ここでは日本市場における伸長の理由にフォーカスしておきましょう。日本の製造業は、半導体等の部品・部材不足は2023年に概ね解消されたほか、円安の恩恵を受け、海外事業の利益は増加する結果となりました。
また、Euro NCAPにおいて2026年からVirtual Testing(VT)の導入が盛り込まれたことで、国内の衝突解析を中心に機械系CAE提供事業者にも追い風が吹いている状況にあるといえましょう。
また、2024年からは、自動車のソフトウェア化に係る研究開発の加速や、製造業における生成AIの活用などもあり、機械系CAE市場は継続的な成長が見込まれます。
とはいえ、市場の見通しは決して快晴ではなく、怪しい雲は依然として居残っています。
地政学的リスクを主因とするエネルギー価格の高騰を含む原材料コスト増は解消されておりません。また、米国ではトランプ大統領の就任に伴い、関税率の引上げをはじめ保護主義的な政策が強まることが予想され、米国向け輸出にとってマイナス影響が出てくることが予想されます。
加えて中国経済は、自動車産業等で生産能力の過剰が続いているほか、トランプ大統領による対中政策がみえておらず、当面の間は様子見となるでしょう。
こうした点を加味しますと、怪しい雲はあるものの、引き続き太陽は見えており、2025年以降も引き続き緩やかな伸びになるとみています。

山口 泰裕(ヤマグチ ヤスヒロ) 主任研究員
ITを通じてあらゆる業界が連携してきています。こうした中、有望な業界は?競合・協業しうる企業は?参入障壁は?・・・など戦略を策定、実行に移す上でさまざまな課題が出てきます。現場を回り実態を掴み、必要な情報のご提供や戦略策定のご支援をさせて頂きたいと思います。お気軽にお声掛け頂ければと思います。

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