ここでは京セラコミュニケーションシステム(以下KCCS)が提供しているLPWA「Sigfox」を紹介する。
まずLPWAとは、Low Power Wide Areaの略で、Wi-Fiや3G/LTEと比較して、少ない消費電力で長距離伝送できる無線通信技術である。LPWAの規格はいくつかあり、主要なものにはSigfoxやLoRaWAN、NB-IoTなどがある。
Sigfoxは仏Sigfox社が仕様を策定した規格で、1回線年額100円から利用することができる。欧米を中心に45カ国(2018年3月時点)に展開されている。SigFoxの展開を進めるにあたり、Sigfox社は1国1事業者のみと契約を交わす。日本ではKCCSと契約し、展開を図っている。なお、KCCSが選定された理由には、KCCSの通信への知識、デバイスやエコシステムへの知識、他企業との連携の可能性、株主の構成などが挙げられるという。
日本で使用されているLPWAの中でも、Sigfoxは他のLPWAに比べて基地局が多いことが強みとなるそうだ。とはいえ、現在のSigfoxの人口カバー率は6割程度に止まる。そのため、今後2022年までに人口カバー率を99%への引き上げを目標に掲げている。なお、基地局は原則建造物の屋上に設置している。
また、これまでSigfoxは水道メーターの自動検針、飲食店の冷蔵庫の温度管理、高級旅行かばんの追跡などに活用されてきた。今後は社会インフラへの更なる導入を進めていきたいという。
LPWAには低消費電力、低コスト、長距離通信が可能という利点があるが、一度に送信できるデータ容量は小さい。そのため利用方法は限定されるが、今後どのような分野への利用が推進されるのか注目していきたい。(宮川 典子)
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