矢野経済研究所 ICT・金融ユニット

2024.09.30

【アナリストオピニオン】AI技術の進化によりEC市場が変わる②

主要ECサイト構築支援サービス事業者のAIを活用した取り組み

主要事業者のほとんどがAIを活用し、様々な研究開発を行っていると見られる。自社開発のAIサービスを提供したり、パートナー企業と連携してAI関連機能を顧客に提供する事業者が増えている。また、社内の業務効率化を図るためにもAIの活用が進んでいると考えられる。

(1)生成AIを活用した商品説明文の自動生成
AI技術を活用した顧客向けサービスとして最も利用されている分野は、商品説明文の自動生成である。例えば、ECサイト上の商品掲載文の自動生成やSNSへの自動投稿、SEO対策などがある。業界全体においてEC人材が不足している中、このようなツールを活用することで、リテラシーが低い人でも簡単に商品説明文を作成することができ、EC事業者の業務負担が軽減される。さらに、AIがブランドイメージやスタイルを学習することで、ブランド独自のクリエイティブの提案・作成も可能になる。
(2)AIチャットボットによる接客およびEC運用サポート機能
AIチャットボットによる接客およびAIによるEC運営サポート機能が提供されている。EC事業者にとって、ECサイトのユーザーからの問い合わせ対応は、サイト運営上の大きな課題となっている。AIチャットボットを活用することで、顧客対応を自動化し、業務効率を向上させることができる。
また、ECサイト運用において、各事業者にパーソナライズされたFAQとその回答をAIが推奨する機能も提供されている。具体的には、送料の設定や在庫の追跡など、あらゆる業務に対して迅速なサポートと具体的な指示を受けることができる。さらに、各事業者のビジネス展開において最適な判断を支援するレポートを即座に作成するサービスなどもある。
(3)AIによる高精度な商品レコメンド機能
ECユーザーの属性や購買履歴、閲覧履歴をAIが分析し、ユーザーそれぞれの好みに合った商品をおすすめする機能が提供されている。過去にもECサイトでレコメンド機能は使われていたが、AIを活用することで、よりパーソナライズされた高精度なレコメンド表示が可能になっている。その結果、コンバージョン率が向上し、EC事業者の売上拡大につながっている。

その他にも、セキュリティ関連ではAIを活用したクレジットカードの不正検知や、商品情報処理(収集・項目設定・加工)の自動化サービス、生成AIによる対話型コマース(AIとの対話を通じて希望の商品を検索・注文する)や、説得力のある件名や魅力的なコンテンツでメール文を瞬時に生成し、最適な配信時間を判断してメールを配信するサービスなども提供されている。
さらに、ショップの将来の売上を予測し、それに基づいて資金調達を行うサービスや、需要予測により在庫管理を最適化するサービスなど、様々なソリューションが提供、あるいは研究開発されている。(金貞民)

※全文は以下よりご覧いただけます。

https://www.yanoict.com/opinion/show/id/417

金貞民(キムジョンミン) 上級研究員
業界の皆様の新たなアイディアを整理し、方向性を提示することもリサーチャーの役割と思います。 常に市場変化を敏感に観察しながら、業界の皆様に価値のあるデータが提供できるよう精進して参ります。

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