BaaSを提供する金融機関は下記のような金融機関が挙げられる。金融機関のメリットとしては、BaaSとしての収益が見込めることと、認知度が上昇することだと考えられる。BaaSを通じて、銀行単体では持つことのできなかった顧客層との接点が拡充し、デビットカードや為替など銀行の収益機会に結び付く取引が生まれることで、トータルで収益の確保が可能となる。現在の低金利下において、金融機関は新たな収益確保に努めている。チャネルの拡大がサービスの利用拡大につながることから、今後参入する金融機関は増加していくものと考えられる。
【図表:BaaS提供金融機関】
ここでは、JR東日本の提供するJRE BANK の特長を記載する。JRE BANKは通常の銀行と同様に預金、融資、為替といった銀行の三大業務を備えており、普通預金、定期預金、振込、送金等のサービスを利用できる。その他、利用状況に応じて様々な特典を提供している。詳細な内容や付与条件については割愛するが、資産残高や給与等の受取状況に応じて特典を付与する形となっている。例えば、①JRE BANK優待割引券、②「どこかにビューーン!」の2,000ポイント割引クーポン、③普通列車グリーン車に使えるSuicaグリーン券、バスやホテルなど、JR東日本のグループ会社の特典等がユーザーに対する特典として挙げられている。
JR東日本は2018年に発表したグループ経営ビジョン「変革2027」の中で、「移動のシームレス化」と「多様なサービスのワンストップ化」を掲げており、そのなかで「金融機関、決済企業等の商品・サービス」の強化に言及していた。2016年に開始したポイントプログラム「JRE POINT」によって、それまで乱立していた、JR東日本グループのポイントサービス「Suicaポイント」「えきねっとポイント」「ビューサンクスポイント」等を統合した。JRE BANKはJRE POINTとともに、「JRE経済圏」を確立するためのツールの一つとする狙いがあるだろう。(石神明広)
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