矢野経済研究所 ICT・金融ユニット

2024.08.21

【業務自動化ツール+育成プログラムの業務改善ソリューション「pengu」 】

2024年7月23-24日、東京ビッグサイトにて「バックオフィスDXPO」が開催された。本イベントでは、人事・総務・経理といった間接領域を中心に、定型業務の効率化ツールから、従業員の教育・エンゲージメント向上支援サービスまで幅広いソリューションが出店されていた。その中で、今回はオムロン株式会社(以下、オムロン)が提供する業務改善ソリューション「pengu」についてお話を伺った。
 
主に制御機器、ヘルスケア機器、電子部品などで知られるオムロンだが、近年はITソリューション事業にも注力している。同社の説明によると、2023年12月にデータソリューション事業本部を設立するなど、これまでの「モノづくり」を主体としたビジネスから、データを軸に新たな価値を提供するソリューションビジネスへの進化を目指しているという。今回のイベントで展示されていた「pengu」もその中で重要な役割を担っているとのことだ。
 
「pengu」は、業務自動化ツールと育成プログラムが合わさった業務改善ソリューションである。強力な業務自動化ツールと、それを現場の実務担当者が使いこなせるようにするための育成プログラムをセットで提供することで、現場での業務DXの実現を支援する。
「pengu」の業務自動化ツールは、OCR・ETL・RPAの3つのツールがセットになっているのが特長だ。紙帳票を電子データ化するOCR、Excelでのデータ集計・加工を自動化するETL、人が行うあらゆるPC作業を自動化するRPAを組み合わせることで、各ツールを単体で使うよりも幅広い業務の自動化を実現できる。個々のツールを見ても、例えばOCRは手書き文字含めほぼ100%の認識精度を達成するなど、単体販売されている他社ツールに劣らない性能を持っているとのことだ。また、全てのツールをノーコード(プログラミング不要)で直感的に操作できるため、プログラミング知識を持たない非ITエンジニアでも利用できるという点も本サービスの強みである。
自動化ツールを提供するだけでなく、利用者の業務や特性に合わせた独自の育成プログラムを用意しているのも「pengu」の特長だ。一般的に、業務自動化ツールを導入したものの、利用者がツールを使いこなせず挫折してしまう、というケースが発生しがちである。本サービスには、利用者の挫折を防ぐために、心理学に基づいた学習タイプ診断、利用者の業務を題材にした専用教材の作成、専任SEによるマンツーマンレッスンといった工夫が織り込まれている。教育する内容も、単にツールの操作方法を教えるだけではなく、フローを構築する際の考え方やロジックの組み方までレクチャーすることで、利用者自身が業務の自動化を実現できる状態を作り出す。
 
DXにより多くの企業で業務のIT化が進んだ一方で、現場部門には紙や手作業によるアナログな業務が数多く残されている、とオムロンは考えている。同社は、その状況の打開策は「業務を理解している実務担当者がITスキルを身に着け、業務改善を進めること」と捉えており、「pengu」をその実現手段として押し出していきたい考えだ。(都築 励)

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