矢野経済研究所 ICT・金融ユニット

2024.08.07

【AWSジャパン 「AWS 生成AI 実用化推進プログラム」を正式発表】

2024年7月22日の記者発表会にて、アマゾンウェブサービスジャパン合同会社(以下、AWSジャパン)は、生成AIの実用化を推進する企業・団体に向けた「AWS 生成AI 実用化推進プログラム」の開始を正式発表した。
 
AWSジャパンは昨年から国内企業・団体による生成AI開発の支援を推進しており、2023年には生成AIの基盤となる大規模言語モデル(LLM)の開発支援を行う「AWS LLM開発支援プログラム」を実施している。同プログラムにはNTT、リコー、リクルートといった大企業からスタートアップ企業まで、多様な規模・業種の国内企業計17社が参加した。AWSジャパンによると、参加企業は2023年8月に本格始動してから約半年間、同社からの費用および技術面での支援を受けながら開発を進め、今年1月に開催された最終成果発表会にてそれぞれの開発成果を発表したという。
 
今回発表された「AWS 生成AI 実用化推進プログラム」は昨年実施のプログラムの発展版として位置付けられている。AWSジャパンは、本プログラムを通じて、生成AIの活用によってビジネス課題の解決にチャレンジする国内の企業・団体に、それぞれの課題に応じた支援を提供する。
参加対象者は「モデル利用者」および「モデル開発者」である。具体的には、「モデル利用者」は公開されているモデルを活用した生成AIのビジネス適用に挑戦する企業・団体、「モデル開発者」は自社に特化した独自のカスタムモデルの開発に取り組む企業・団体、とされている。
参加者には、それぞれの生成AIの利用目的や検討状況に合わせて最適なサポートが提供される。例えば、「モデル利用者」に対しては公開モデルの中から最適なモデルの選定や実用化に向けたカスタマイズの支援、「モデル開発者」に対しては開発環境の設計や学習データの準備の支援、などだ。その他、戦略策定・課題設定などの上流フェーズでの支援や、AWSパートナー企業(コンサルティング・システム開発・運用会社など)とのマッチング支援、AWSサービス利用の際に使用できるクレジットの提供による費用面での支援なども用意されている。
 
国内における事業活動への生成AI活用の気運は高まっている。AWSジャパンが今年6月に実施した「加速する AI 活用、AI スキルに関するアジア太平洋地域の雇用主および労働者の意識調査」によると、国内企業の78%が2028年までにAI主導の組織になることを見込んでいることが分かった。一方で、同調査で国内企業の82%が必要なAI人材の確保に苦労していることも明らかになっている。今回発表された「生成AI 実用化推進プログラム」が国内におけるAI人材不足という課題を解消し、国内企業のAI活用を加速させられるか、引き続き注目したい。(都築 励)
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【プログラム応募概要】
実施期間:2025年3月末まで
募集数 :50社・団体程度を想定
募集期間:2024年7月22日~10月31日
応募方法:プログラム公式ホームページ掲載のWebフォームから申込

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