矢野経済研究所 ICT・金融ユニット

2024.03.13

【アナリストオピニオン】生成AIの活用が進むデジタルマーケティング市場①

セールスフォース・ジャパンが新たな生成AIサービスを発表

2024年1月にセールスフォース・ジャパンが、2月より新たなセールス向け生成AI機能の提供を開始すると発表した。今回、提供が開始されるのはSales Cloudの生成AI機能となっている。
1つ目がワンクリックでメールを自動作成する「セールスメール」である。生成AIの登場以来、文書の自動生成は注目されており、様々なサービスが提供されている。しかし、このサービスは単にメール文が生成されるのではない。CRM上に蓄積されたデータからパーソナライズされたメールを生成できるのである。
2つ目の機能は通話記録を簡潔にまとめる「通話サマリー」である。このサービスは通話の要点をまとめるだけでなく、顧客センチメントや次のステップを特定し、営業の商談をサポートする。
3つ目が「通話探索」であり、顧客との音声やビデオ通話をCRMに記録し、自然言語による検索や通話内容の要約を可能にする。

このようにセールスフォースは2023年3月にCRM向け生成AI「Einstein GPT」を発表してから、継続して生成AIを活用したサービスを展開している。こうしたデジタルマーケティングツールにおける生成AIの活用はセールスフォースだけではない。例えば、アドビも2023年3月に生成AIサービス「Adobe Sensei GenAI」を発表している。アドビによれば、このサービスによってマーケターやカスタマーエクスペリエンスの担当部門に副操縦士(co-pilot)を提供、生産性を高め、CXの提供、管理を再定義するという。
生成AIはメール文やコピーといったコンテンツの自動生成によって迅速で最適な顧客対応が可能になる。加えて、蓄積された顧客情報を組み合わせることで従来以上にパーソナライズされた顧客体験の提供を実現する。こうした観点から生成AIとデジタルマーケティングは非常に相性がよいのである。

国内デジタルマーケティング市場規模

矢野経済研究所では『2023年版 デジタルマーケティング市場の実態と展望』において国内のデジタルマーケティング市場規模推移予測を発表している。当社の調査では、2022年の国内のデジタルマーケティング市場規模(事業者売上高ベース)は、2,828億円と推計した。また2023年の同市場規模は、3,167億5,000万円に成長すると見込む。
市場拡大の背景には新型コロナウイルス感染症が拡大して以降続いているユーザーのデジタルシフトが挙げられる。従来、CRMやMAといったツールはデジタルマーケティングに対して積極的に投資を行うことができる大企業を中心に導入が進んでいた。しかし、新型コロナウイルス感染症の流行を機に中小企業でも営業活動のデジタル化が進められ、ツールの導入が進んでいる。

※全文は以下よりご覧いただけます。

https://www.yanoict.com/opinion/show/id/405

今野 慧佑(コンノ ケイスケ) 研究員
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