■サービス概要
リコーが提供する「仕事のAI」は、企業に蓄積されたナレッジ、活用の進んでいない日報・文書、コンタクトセンターに届いた問い合わせといった企業固有のドキュメント情報資産を、自然言語処理AI技術によって文章の意味を理解して体系化する。これまで、現場ごとに存在していたドキュメントを結びつけることにより、業務効率化や顧客満足度の向上といった新たな活用価値を創出する。お客様の課題が顕在化していたコールセンター等でのお客様の声情報を分析するサービスとして、次の2つを先行リリースしている。
・RICOH 品質分析サービス Standard for 食品業
・RICOH ニーズ分析サービス Basic
⇒https://www.ricoh.co.jp/service/ai-for-work/
上記2つのサービスに関しては基本的にリコーが自社側でAI部分を開発していたサービスであるが、利用いただくなかで、利用状況に合わせて個々のチューニングニーズがあることがわかってきた。そこで、2023年7月に「仕事のAI」の新サービスとして、ユーザー企業独自のAIモデルを簡単に作成し、学習推論できる「ノーコード開発ツール」を新たに開発、無償でのトライアルを提供開始した。
企業が大規模言語モデルを業務で活用する際に必要となる企業固有の情報を、この開発ツールにアップロードするだけで、特別な知識がなくてもAIに学習させることができるノーコードのAI開発ツールである。ユーザー企業は固有の用語などを含む分類情報のサンプルデータをExcelで作成し、ユーザー企業側で簡単に独自AIモデルを作成することが可能になる。
現在、製品版リリースに先駆けて無償でトライアル提供しており、ユーザー企業が自身でツールの使い勝手や実際のデータを使ったAIモデルの効果を検証できる。
さらに、急進著しい生成AIの利活用に関しては、OpenAI社のChatGPTやリコー独自開発の大規模言語モデルなどを活用した企業向けAIシステムの構築ビジネスを開始した。
同社には80年代から研究開発部門に自然言語処理に精通した文書系アナリストが多数在籍している。そのため、ドキュメントから次のワークフローに結び付けるノウハウを大量に有してきており、それがリコー独自のAIモデルに生かされている。
元来、日本語の学習は難しいものであり、学習のメソッドが必要になる。ベンチャー等では大量のデータを用いて学習させるという方法が普通であるが、リコーではデータの吟味や順番の変更などの工夫をもって、精度を高めることが可能である。
■現在の市場動向に対する見解
同社では、オフィスワークにおけるAIの活用は順調に拡大するものと期待している。
また、今後はRAG(検索拡張生成:検索ベースと生成ベースのAIモデルの両方の長所を組み合わせた自然言語処理技術)の技術などを利用することで、社会課題となっているノウハウの伝承などに活かされるのではないかと考えている。これは従来ならエキスパートシステムやナレッジエンジンと言われたようなシステムと言え、似たような機能として活用されていく可能性があるだろうとする。
■利用顧客層の特徴
現在は大手企業が中心となっているが、将来的には中小企業でも導入が加速すると考えている。業種という面では、製造業がメインであり、製造業の技術ドキュメントで生成AIの利活用が多い。
■現状の課題
LLM(Large Language Model:大規模言語モデル)の世界では、業種業務で活用できるようなキラーアプリケーションの開発が急務であると考えている。
■今後の事業戦略
今年のようなチャットGPTの大ブレイクが起きるまで市場の立ち上がりは2025年頃と考えていたが、実際は2023年に急に市場が開いたと言える。
2023年はLLMビジネスの元年と捉えているが、2024年からはより高度な業種業務への導入が始まると考えており、そこで必要になるAIソリューションのノーコード化やAIが自律的に考え動くAIエージェントの開発に注力していく。(野間博美)
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https://www.yanoict.com/opinion/show/id/404
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