矢野経済研究所 ICT・金融ユニット

2024.02.09

【アナリストオピニオン】メタバースの時代はいつくるのか③

メタバースがコンシューマー市場に浸透するため解決すべき課題

現状、メタバース空間内で遊べるユーザー体験が少なく、メタバースならではの付加価値が薄い。ゲーム以外で成功しているサービスがまだみられない状況で、メタバースが過疎化してしまう恐れがある。まずはコンテンツのクリエイティブ力が成長しなければ、市場は普及しないであろう。

コロナが収束して状況が変わっていく中で、バーチャル空間でどのような価値を提供していくべきかは、事業者の課題である。コロナ最盛期にはバーチャルイベントの需要が中心となっていたが、今はリアルのライブイベントなどが復活している。環境が変わって仮想空間でオンラインイベントを行う必然性は低くなっている。従って、バーチャルならではの価値が提供できるサービスでない需要が広がらないと思われる。

また、デバイスの進化がメタバース市場普及の必須条件になる。現状、PCやスマートフォン、タブレットを介した体験が主流となっており、VRデバイスの活用はあまり進んでいない。これはXR(VR、AR、MR)デバイスのサイズや重さが課題となり、長時間の使用が困難なケースが多いことが原因の一つと考えられる。さらに、3Dコンテンツの膨大なデータ容量によるユーザー側の端末への負荷/デバイスの制限もメタバースの課題となっている。
過去にもメタバースが注目を集めた時期があったものの、市場に浸透せずに過疎化してしまったことがある。現在、上記のような様々な課題が存在しているが、キラーコンテンツが登場すれば、メタバースは一気に広がる可能性もあると考える。そうなると、若い世代がコミュニケーションの手段として今のSNSのようにメタバースを利用する時代がくるかもしれない。

※全文は以下よりご覧いただけます

https://www.yanoict.com/opinion/show/id/401

金貞民(キムジョンミン) 上級研究員
業界の皆様の新たなアイディアを整理し、方向性を提示することもリサーチャーの役割と思います。 常に市場変化を敏感に観察しながら、業界の皆様に価値のあるデータが提供できるよう精進して参ります。

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