矢野経済研究所 ICT・金融ユニット

2023.11.22

【アナリストオピニオン】パナソニックグループにおけるAIを巡る取組み動向――人材育成およびAIガバナンス①

1.事業戦略

(1)事業戦略
パナソニック ホールディングスでは、デジタルやAIを通じてサプライチェーンやくらしへの貢献、理想の社会やくらしの実現に貢献すべく、モビリティやホーム、B2B領域まで幅広い領域で事業展開をしている。特にAIについては、2016年から事業をよりよくするためのツールと位置付け、AI人材を育成してきた結果、一定の成果を得たとして、2023年6月に新たなAI技術戦略を発信している。
具体的には、まず「Scalable AI」として、同社は幅広い領域で事業会社を保有しているからこそ得られる様々なデータを強みに、多様な事業・現場へ適したAIをわずかな学習データで素早く届けられるようにする基盤モデルの構築や、AIモデルを実世界の多様な機器で簡単に使えるようにするためのエッジAI、ロボティクスなどの技術により、AIの社会実装加速を目指している。 次に「Responsible AI」として、特に近年生成AIの社会への浸透を受け、AI活用に係る倫理面での課題に対する世界的な意識が高まるなか、 家電をはじめとした民生事業を手掛ける企業として人間中心のAI活用を実現するための責務を打ち出した。
同社におけるAIの活用体制について、ホールディングス内にテクノロジー本部 デジタル・AI技術センターを設置し、各事業会社の抱えるAIに関連する案件について支援する形で連携体制を敷く。このほかAI人材の育成やAI倫理のガバナンスなども手掛けている。

(2)強み
パナソニック ホールディングスは、強みとして、まずグループ全体で 1,500人に上るAI人材を抱えている点がある。過去にセキュリティカメラの開発を手掛けてきた人材がいるほか、ADAS向けには画像認識に長けた技術者も多いことから、特に画像認識を得意とする技術者が多い傾向にある。現在は、時系列分析などデータ分析の技術者の強化も進んでいる。
同社は、2016年ころからAI人材の育成に取組んでおり、レベルや分野に応じて画像認識技術やデータ分析を中心に多彩なカリキュラムを整備。グループ全体でAI人材を1,500人程度抱えており、そのうち、世界トップクラスのエキスパート人材も抱える。なお、同社のAI人材1,500人は、ライブラリを活用しPythonプログラミングができるレベルのエンジニアをさしている。

※全文は以下よりご覧いただけます

https://www.yanoict.com/opinion/show/id/393

山口 泰裕(ヤマグチ ヤスヒロ) 主任研究員
ITを通じてあらゆる業界が連携してきています。こうした中、有望な業界は?競合・協業しうる企業は?参入障壁は?・・・など戦略を策定、実行に移す上でさまざまな課題が出てきます。現場を回り実態を掴み、必要な情報のご提供や戦略策定のご支援をさせて頂きたいと思います。お気軽にお声掛け頂ければと思います。

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