矢野経済研究所 ICT・金融ユニット

2023.09.22

【アナリストオピニオン】待ったなしの技能伝承、工場におけるAI自動化を拒むハードルと押さえるべきポイント②

自動化において立ちふさがる複数のハードル

工場では現在も多くの職人芸が生きている。まず1つ目のハードルは職人芸の可視化。AIなどを導入する場合には、そうした職人の勘や経験による「微妙な調整」などを再現する必要がある。AIに学習させるうえでは経験や勘を形式知化する必要があり、各種パラメータを取得、職人とともにモデル化のうえ、AIに落とし込んだ後、検証を重ねながら職人芸に近づけていくことになる。

しかしながら、ここで2つ目のハードル「データの取得できる工作機械と取得できない機械が混在」が現れる。AIにおけるパラメータの取得に際して、工場の工作機械は耐用年数が17~18年と言われ、場合によっては30年にも及び、長期間にわたって稼働している。当該機械のうち、新しい工作機械は元々、センサーなども内蔵されている一方、古い機械はセンサーなど実装されておらず、そもそもデータの取得が課題となることも多い。当然ながら工場内の全ての工作機械が同じ耐用年数ではないため、機械Aはセンサー非内蔵、機械Bはセンサー内臓など、さまざまな工作機械が稼働している。こうした混在した環境下で課題解決に挑むことになる。

こうした課題は一例に過ぎないが、どうだろうか。工場のIoT化やスマート工場などを実現するためには、乗り越えるべき課題は幾つもあることがお分かり頂けたのではないだろうか。(山口 泰裕)

※全文は以下よりご覧いただけます。

https://www.yanoict.com/opinion/show/id/389

 

山口 泰裕(ヤマグチ ヤスヒロ) 主任研究員
ITを通じてあらゆる業界が連携してきています。こうした中、有望な業界は?競合・協業しうる企業は?参入障壁は?・・・など戦略を策定、実行に移す上でさまざまな課題が出てきます。現場を回り実態を掴み、必要な情報のご提供や戦略策定のご支援をさせて頂きたいと思います。お気軽にお声掛け頂ければと思います。

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