矢野経済研究所 ICT・金融ユニット

2023.07.24

【触らずにスマホ操作】

2023年6月28~30日に東京ビックサイトで開催された「コンテンツ東京2023」へ伺いました。
ここではWearable Devices社の「mudra Band」について紹介します。
 
「mudra Band」はApple Watchのバンド部分のプロダクトで、装着することでiPhoneの画面を一切触らず指の動きだけで操作できるようになります。これは神経を流れる脳からの信号を読み取るセンサを、バンドの手のひら側に搭載し微弱な電気信号を検出しています。操作はタッチやピンチ、ページを戻るなど指の動きで様々なジェスチャー表現できるほか、指をつまむ動作の圧力計測も可能です。「mudra Band」はiPhoneやiPad、MacBookなどと連携することができ、2023年夏以降に199米ドルでの販売を予定しています。また、リストバンド型の「mudra Inspire」ではandroid端末やVRデバイスとの連携も進められています。
開発したのはイスラエルに拠点を構えるWearable Devices社で、共同創業者の3人はもともとインテルでハードウェアや機械学習関連のアルゴリズムを開発していました。将来的には指先の小さなセンサのみで操作できるようになり、ヘルスケアでの活用も見込んでいるとのことです。
 
これまで非接触操作技術は、モニターやタッチパネル側に取り付けられたセンサによる動作検知が一般的でした。それでも比較的新しい技術となりますが、このプロダクトは生体電位の検出によって操作するBMI(ブレイン・マシン・インターフェイス)となり、現在普及している技術とは一線を画します。
脳と機械をつなぐBMIは国内外で様々な研究が進められ、医療用途では臨床試験も始まっています。技術や倫理的な課題があり市場への普及はまだ先ですが、「mudra Band」のように手術を必要としない非侵襲型のデバイスからヘルスケアやエンタメの領域での活用が見込まれます。(宮村優作)

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