矢野経済研究所 ICT・金融ユニット

2024.03.22

【アナリストオピニオン】国内IPカメラ市場:カメラの「コト売り」は流通チャネルを変化させるか?①

IPカメラの国内市場

IPカメラ(ネットワークカメラ)とは、カメラの内部にコンピューターが内蔵され、1台ごとにIPアドレスが割り振られているカメラのことである。スマートフォンやPCを通して録画データの確認や、リアルタイムでの視聴ができる。また、前述の通りカメラ本体にIPアドレスが振られているため、PCなどを経由せずとも、単体でインターネットに接続が可能となっている。従来のアナログカメラが映像用同軸ケーブル、音声用ケーブル、制御信号用ケーブルなどが必要であるのに対し、IPカメラはLANケーブル1本ですべての通信ができる。さらに、PoE(Power over Ethernet)を利用すれば、電源供給とインターネット接続が同時に可能となるため、電源ケーブルも不要となる。
このように、煩雑な接続から解放されるだけでなく、映像も綺麗で、遠隔でも映像を見ることができるIPカメラは、世界だけでなく日本でも市場が拡大し続けている。

矢野経済研究所では、「2023 ネットワークカメラの国内流通チャネル動向調査~メーカーおよび一次卸ベンダ編~」において、IPカメラの国内市場規模推移予測を発表している。同調査では、2023年度におけるIPカメラの国内出荷台数見込を112万3,000台(前年度比107.3%)と推計し、2026年度には136万台を予測する。従来の防犯目的としての設置だけでなく、多くの企業がコロナ禍で非接触・非対面の新しい生活様式に対応できるソリューションを必要としたことや、現場のDXを推し進めるため、省人化や無人化を実現するソリューションの需要も高まった。それを解決するためのものとして、カメラの導入数が拡大している。例えば、建設現場での進捗管理や見回りなど、普通は現場監督が現場に訪問し、目視での確認をするが、カメラを活用することで、実際に訪問せずとも遠隔での管理や監視が可能になり、業務の効率化を図ることができる。このように、人のリソースをできるだけかけずに、課題解決を導くツールとしてカメラを活用するケースはアフターコロナと称される2024年現在でも需要が高く、市場成長の大きな要因の1つといえる。(山内 翔平)

※全文は以下よりご覧いただけます。

https://www.yanoict.com/opinion/show/id/406

 

【図表:IPネットワークカメラの国内市場規模推移(2021~2025年度予測/台数)】

 

山内 翔平(ヤマウチ ショウヘイ) 研究員
ICTの分野では、最新の動向やトレンドが絶え間なく変わり、新陳代謝の激しい業界です。 有意義かつ新鮮な情報をご提供するために、現場の声を直接お聞きし、お客様に寄り添った提案ができるよう、努めてまいります。

YanoICT(矢野経済研究所ICT・金融ユニット)は、お客様のご要望に合わせたオリジナル調査を無料でプランニングいたします。相談をご希望の方、ご興味をお持ちの方は、こちらからお問い合わせください。

YanoICTサイト全般に関するお問い合わせ、ご質問やご不明点がございましたら、こちらからお問い合わせください。

東京カスタマーセンター

03-5371-6901
03-5371-6970

大阪カスタマーセンター

06-6266-1382
06-6266-1422