矢野経済研究所 ICT・金融ユニット

レポートサマリー
2024.02.16

ビジネスチャットツール市場に関する調査を実施(2023年)

ビジネスチャットツール市場は、2027年度には45,450百万円に達すると予測。オフィスと現場、双方の従事者に向けてコミュニケーションを最適化、進化させる取組みが進む。

株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越孝)は、国内のビジネスチャットツール市場を調査し、参入企業動向や将来展望について明らかにした。

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【図表:ビジネスチャットツール市場規模推移・予測】

【図表:ビジネスチャットツール市場規模推移・予測】
  • 矢野経済研究所調べ
  • 注:事業者売上高ベース。
  • 注:2023年度は見込値、2024年度以降は予測値。

 

ビジネスチャットツール市場の概況

2022年度の国内ビジネスチャットツール市場規模推移・予測(事業者売上高ベース)は、前年度比129.7%の330億5,500万円となった。2023年度はコロナ禍で需要の先取りがあった影響から反動で成長率は鈍化するとみられ、前年度比109.9%の363億3,000万円を見込む。

同市場は2020年度から2021年度にかけてコロナ禍の影響を受け、在宅勤務への移行に向けた環境整備の一環として同ツールの導入が急増した。また、2022年度は現場での業務対応が必要となる顧客層、つまり在宅勤務の難しい現場向けを意識し、業務効率化や業務の自動化に向けた基盤としての打ち出し方に進化した結果、より幅広い業界や事業者へと導入が進んでいる。ただし、新型コロナウイルスの感染症区分が5類に移行したことに伴い、在宅勤務から出社へと切り替える企業も出てきており、成長率としては鈍化しつつある。

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ビジネスチャットツール市場の注目トピック

■オフィスワーカー向け、現場ワーカー向けの双方で広がり
従来、ビジネスチャットツールはオフィスでの業務従事者(オフィスワーカー)を中心に広がってきたものの、特にコロナ禍を契機に販売や物流、医療など現場で働くワーカーにも浸透し始めている状況にある。

コロナ禍以前の働き方改革はもとより、コロナ禍に伴いテレワークの主な実施対象はオフィスワーカーが中心であった。緊急事態宣言などにより出社が困難となった中、勤務形態がオフィスへの出社から在宅勤務へと切り替わるに伴い、IT環境の整備を進めるなかでモジュール(機能)の1つとしてビジネスチャットツールが広がってきた。

​一方で、販売や物流、医療・介護など現場で働くワーカーは、在宅勤務に切り替えることが難しいため、チャットツールを利用するメリットが見当たらない。しかし、オフィスワーカーの主な利用用途であるコミュニケーションツールではなく、業務効率化に係るソリューションとしての位置づけで現場での導入が進み始めている。

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ビジネスチャットツール市場の将来展望

現状、同市場の顧客として在宅勤務の対象ではない現場ワーカーを完全には取り込めておらず、競争の激しいオフィスワーカー向けと異なり、開拓余地の大きい領域となっている。そこで、各社ともに現場ワーカーを含む形で従業員全体のコミュニケーションを最適化することで、業務効率化や業務の自動化を図っていく取組みがみられる。

この背景を踏まえると、引き続き、コロナ禍のような一時的な高い成長率は見込めないものの、継続的な成長が見込まれるものと考える。ビジネスチャットツール市場規模は、2024年度で395億2,000万円、2026年度には437億5,000万円、そして2027年度には454億5,000万円に達するものと予測する。

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参考:このレポートに掲載されている主なデータ一覧

  • 業界特化型ツールの例
  • ビジネスチャットツールの位置づけ
  • ビジネスチャットツールから情報基盤への変化
  • 企業のテレワーク導入率及び導入予定率の推移(2011年~2019年)
  • 企業のテレワーク導入率及び導入予定率の推移(2011年~2020年)
  • テレワークを導入する動き
  • 業種別テレワーカーの割合
  • 企業規模別テレワーカーの割合
  • 居住地域別テレワーカーの割合
  • 世界最先端IT国家創造宣言工程表
  • 官公庁におけるテレワークに関する助成・補助
  • 主たる生成AI開発ベンダーへの出資および買収の動向
  • ビジネスチャットツール市場規模推移
  • ビジネスチャットツール市場規模予測
  • 主要ビジネスチャットツールのポジショニングマップ
  • 2つの方向性
  • UI・UXに関する取組み
  • セキュリティに関する取組み
  • 各社の販売戦略の比較
  • エリア別の傾向
  • 企業規模別の傾向
  • プロモーションに関する取組み
  • 生成AIに関する取組み
  • NTTビジネスソリューションズ
  • サイボウズ
  • Symphony
  • セールスフォース・ジャパン(Slack)
  • 日本マイクロソフト
  • ワークスモバイルジャパン

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調査要綱

調査対象:ビジネスチャットツール提供事業者
調査期間:2023年9月~2023年11月
調査方法:当社専門研究員による直接面談(オンライン含む)、ならびに文献調査併用

※ビジネスチャットツールとは:ビジネスチャットツールは、企業の業務シーンにおけるコミュニケーションを目的としたチャットを主な機能としたソフトウェアである。ビジネスチャットの機能としては、まず通知機能や既読表示があるため、メールと比較した場合、タイムラグが発生しづらく、リアルタイムでメッセージのやりとりがしやすい。また、チャット機能のほかにも、コミュニケーションとしての役割を担うことから通話機能やビデオ通話を盛り込むこともある。加えて従来のメールの機能も果たすため、容量に制限があるもののファイル共有の機能も兼ね備えている。さらに他社ツールとの連携を図るなど、ビジネスシーンで必要な機能を取り揃えるツールも多い。

<市場に含まれる商品・サービス>
ビジネスチャットツール

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山口 泰裕(ヤマグチ ヤスヒロ) 主任研究員
ITを通じてあらゆる業界が連携してきています。こうした中、有望な業界は?競合・協業しうる企業は?参入障壁は?・・・など戦略を策定、実行に移す上でさまざまな課題が出てきます。現場を回り実態を掴み、必要な情報のご提供や戦略策定のご支援をさせて頂きたいと思います。お気軽にお声掛け頂ければと思います。

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