矢野経済研究所 ICT・金融ユニット

レポートサマリー
2022.08.04

国内クラウドファンディング市場の調査を実施(2022年)

2021年度の国内クラウドファンディング市場規模は1,642億円。前年度は新型コロナウイルス関連プロジェクトの支援額が増加した反動で寄付型・購入型で減少に転じたものの、市場性は高いとみている。

株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越孝)は、2021年度の国内クラウドファンディング市場を調査し、市場規模(新規プロジェクト支援額)、新規支援プロジェクト件数、支援者・投資者数、6類型別や参入企業の動向、将来展望を明らかにした。

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【図表:国内クラウドファンディングの新規プロジェクト支援額(市場規模)推移】

【図表:国内クラウドファンディングの新規プロジェクト支援額(市場規模)推移】
  • 矢野経済研究所調べ
  • 注:年間の新規プロジェクト支援額ベース
  • 注:2022年度は見込値
  • 注:「事業投資型」「不動産型」「寄付型」「購入型」「貸付型(ソーシャルレンディング)」「株式型」の6種型を対象とした。但し、ふるさと納税サイトは対象としていない。

 

国内クラウドファンディング市場の概況

2021年度の国内クラウドファンディング市場規模は、新規プロジェクト支援額ベースで前年度比11.1%減となる1,642億2,100万円と推計した。

2021年度の市場を6類型別にみると、事業投資型、不動産型、株式型は堅調に増加した。事業投資型ではESG関連などのプロジェクトも起案され、注目度は高まっている。また、不動産型と株式型は法整備が後押しとなって参入企業が増加しており、今後の市場拡大が期待される。
他方、寄付型、購入型、貸付型(ソーシャルレンディング)の3類型では減少した。寄付型および購入型は前年度において新型コロナウイルス関連プロジェクトの支援額が増加した反動で、減少に転じた。また、支援金額では主力となる貸付型は、2017年~2018年頃に複数の貸付型のクラウドファンディング運営企業で行政処分が相次いだことで大幅に減少して以降、低迷が続いている。

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国内クラウドファンディング市場の注目トピック

■2021年度の市場規模縮小は一時的な反動に留まる見込み
不動産型のクラウドファンディング運営企業では、2022年4月に上場企業も誕生した。業界成長のためには諸々の課題解決が必要な面もあるが、起案者の量的増加と全国的な広がり、支援者や投資者の支援状況などから、クラウドファンディングのニーズは高く、市場性は高いと見ている。

新型コロナウイルス関連プロジェクトの成約が急増したため、2020年度には一時的に市場規模(新規プロジェクト支援額)が急拡大し、2021年度は市場規模などが減少に転じた。しかし、2021年度も多くの起案者、支援者、投資者を呼び込むことができており、クラウドファンディングのニーズは高く、市場性は高いと見ている。

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国内クラウドファンディング市場の将来展望

2022年度のクラウドファンディング市場は、プロジェクトの大型化傾向がみられる不動産型と一部規制緩和が進んだ株式型は引き続き拡大し、事業投資型と寄付型、購入型も堅調に推移する見込みである。また、これまで減少傾向にあった貸付型は規制強化による業界の健全化・適正化の進展、新規参入効果によって市場が回復すると予測し、2022年度のクラウドファンディング市場規模を前年度比16.3%増の1,909億8,200万円と見込む。

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参考:このレポートに掲載されている主なデータ一覧

  • 業界を取巻く環境と参入企業の動き
  • 業界と参入企業の主な動向
  • 主なサイトの類型別シェア
  • 主なサイト
  • 市場規模(全体)
  • 市場規模(類型別)
  • 市場規模(類型別)の構成比推移
  • 主な企業(サイト)の年間支援額推移
  • 支援プロジェクト件数(全体)
  • 支援プロジェクト件数(類型別)
  • 支援プロジェクト件数(類型別)の構成比推移
  • 主な企業の年間支援プロジェクト件数推移
  • 年間支援者数の推移(全体)
  • 年間支援者の推移(類型別)
  • 年間支援者数(類型別)の構成比推移
  • 主な企業の年間支援者の推移
  • 貸付型クラウドファンディング相当分の年間新規販売額
  • 貸付型クラウドファンディング相当分の新規ファンド数
  • 貸付型ファンドの出資者数
  • 貸付型ファンドの延滞発生会社数
  • 貸付型ファンドの延滞状況
  • ふるさと納税の受入額と費用・控除合計推移
  • ふるさと納税の受入件数
  • ふるさと納税の1件当たり単価と利用件数の推移
  • 各社の事業実績
  • 業界展望、市場の見方
  • 業界の課題と自社の対策
  • 経営戦略、事業戦略の現状
  • 各社の経営戦略、事業戦略の課題
  • 経営戦略、事業戦略の今後
  • 各社の強み
  • 手数料率
  • 収益性、今後
  • 営業収益
  • 営業利益
  • 当期純利益
  • 投資者への平均利回り
  • 億超えプロジェクトの推移と構成比
  • 億超えプロジェクトの支援内容カテゴリーの構成
  • 支援内容カテゴリー別の支援額構成
  • 支援内容カテゴリー別の支援者構成
  • 億超えプロジェクト
  • プロジェクトのターゲット層と獲得策
  • ジャンル、業種・業態の変化
  • コンセプト、支援内容の変化
  • 1件当たりの成立プロジェクト規模
  • 募集額の動向と変化
  • 達成率(サクセス率)向上のための施策
  • プロジェクト達成後/募集成立後のフォロー、リピート策
  • 海外企業(海外プロジェクト)への対応
  • 支援者のターゲット層
  • 支援者/投資者の年代、男女比等
  • 1プロジェクト当たりの支援者1人当たり単価
  • 支援者の動向、変化
  • 支援/投資の促進策
  • 既存支援者の囲い込みの施策
  • プロジェクトへの認知度アップ策
  • 支援者へのサイト認知度アップ策
  • その他、全般のサイト認知度アップ策

<購入型>

  • 【GREEN FUNDING】(株)ワンモア
<株式型>
  • 【FUNDINNO】(株)FUNDINNO
<事業投資型>
  • 【Sony Bank GATE】ソニー銀行(株)
<不動産型>
  • 【CREAL】クリアル(株)
<貸付型>
  • 【J.LENDING】(株)ジャルコ
  • 【FUELオンラインファンド】FUEL(株)
  • 【Funvest】Fintertech(株)
★取材に協力頂いた企業や情報開示を行なっている企業が限定されるため、参考数値として例示に留まる項目もあります

 

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調査要綱

調査対象:クラウドファンディング運営企業、利用企業等
調査期間:2022年4月~6月
調査方法:<当社専門研究員による直接面談(オンライン含)、ならびにeメールによるヒアリング調査併用/p>

※クラウドファンディング市場とは:本調査におけるクラウドファンディングとは、資金を必要とするプロジェクト等がインターネットを介して不特定多数の人々から比較的少額な資金を調達する手段で、「事業投資型」、「不動産型」、「寄付型」、「購入型」、「貸付型(ソーシャルレンディング)」「株式型」の6類型を対象とした。本調査における市場規模は、当該年度一年間の新規プロジェクト支援額から算出したが、ふるさと納税サイトは対象としていない。

★ご注意:本リリースは、情報提供を目的としており、投資・支援その他の行動を勧誘し、特定企業を推奨するものではありません

<市場に含まれる商品・サービス>
社会貢献、芸術、イベント、復興、地域創生、新技術・開発、製造・販売等への支援、事業者向け貸付、不動産投資、未上場株式投資

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